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神奈川県住宅供給公社の大学連携「団地と大学、地域をつなぐプロジェクト」緑ヶ丘団地(厚木市)×東京工芸大学〜専門分野を活かした住環境づくり〜

コミュニティづくり2024.08.30広報担当

団地と大学、地域をつなぐプロジェクト

緑ヶ丘団地(厚木市)×東京工芸大学〜専門分野を活かした住環境づくり〜

神奈川県住宅供給公社では神奈川県内にキャンパスを持つ大学と連携、大学ごとの専門性を活かしながら、若い担い手と地域の方々との連携による新たな取り組みが、いま始まっています。


団地と大学、地域をつなぐプロジェクト 
緑ヶ丘団地(厚木市)×東京工芸大学〜専門分野を活かした住環境づくり〜
大学連携紹介動画(https://youtu.be/03u4t864wFY

神奈川県厚木市にある緑ヶ丘団地は1960年代に総戸数1,365戸の住宅のほか、独身寮、商店街、小学校もある大型団地として開発されました。開発から60年以上が経った今、社宅などが取り壊されて一戸建ての分譲が行われるなど、団地に新しい入居者層が入ってきています。
一方で、当初からある公社の賃貸住宅などでは、高齢化が進んでおり、世代を超えたサステナブルな地域コミュニティづくりが課題となっています。

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2018年、神奈川県住宅供給公社は緑ヶ丘団地から約2.5kmに位置する、東京工芸大学と連携協定を締結。
大学が有するテクノロジーと建築・デザイン、住環境の専門知識を活用し、新たな住まい方の検討や、学生が実際に団地に居住することで多世代が混在する地域コミュニティの活性化を目指しています。

ミドラボ』と名付けられたプロジェクトでは学生ならではの視点から、現代アートを用いたPR活動を行ったり、より良い住環境を求めたりする取り組みを進めています。

ミドラボ
公社と東京工芸大学との教育・研究プロジェクト。大学が持つテクノロジーとアートの力を生かし、学生による建築・ランドスケープの設計提案や、健康で快適なウェルネス住宅の実証実験、マンガ・映像を用いた地域のメディア制作などを行っている

この日、建築コースの学生が取り組んだのは、公社の所有地内に新たに遊歩道を作ってみる社会実験です。
この辺りは、歩道がなく、歩行者と車が同じ道路を通行しています。住民の動線を変えることで、安全性の向上だけでなく、生活者に寄り添った環境をつくり出し、コミュニティの活性化をもたらす効果を生み出すのではないかと、学生が提案し、今回実際に実験をしてみました。

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あらかじめイベントを告知することで、お住まいの方の生の声を聞くことができました。

「歩道がない道なので、遊歩道ができたら子どもと一緒に歩きやすいと思いました。」
「とてもいい計画だと思いました。」
「若い学生さんたちが団地に関心をもって、声をかけてくれるのは、すごくうれしいです。一緒に協力できたらいいなと思っています。」
と、皆さん学生の提案に期待しているようです。

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神奈川県住宅供給公社の茶屋道さんに、東京工芸大学との連携を結んだ公社にはどんな狙いがあるのか聞きました。
「学生さんと先生方がアカデミックな部分をうまく発揮してもらっているのを感じています。
最初は大学と連携して何をやろうという具体的な目的があったわけではないのですが、団地の中でできることをやっていこうと。こういった遊歩道のプロジェクトなど形になるものを少しずつ積み上げて、住民さんと共により良い団地暮らしを目指していきたいと思っています。」

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より住みやすい環境を提案する学生とそれを求める居住者、公社の賃貸住宅だけにとどまらない、団地全体に新たな魅力を創造する可能性が生まれました。


参加した学生は
「学生では気が付かなかったことに気づかせてもらっています。自分にはまだ子どもがいないので、わからなかったのですが、お子さんがいると公園の利用の仕方も変わっているという話がすごく印象的でした。」
「団地の環境の整備に積極的な方が多くて、意見をもらう側としては嬉しかったです。住民の方や地域の方とコミュニケーションをとり、もっともっと発展して緑ヶ丘団地をより良い環境にしていきたいです。」

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東京工芸大学の森田教授はこの活動について
「実際のフィールドの中で制作をしたり、そこからヒントを得ながらものづくりをしていく。学生たちが提案したものがどういう風に人々に受け止められていくのか。そういうことを生で体感でききる貴重な経験だと思います。」


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また、神奈川県住宅供給公社では大学との連携協定を機に緑ヶ丘団地に団地活性サポーター制度を導入しました。
学生が団地に入居すると、家賃を割り引く代わりに学生は自治会活動や地域活動にも協力し、高齢化が進む団地の地域コミュニティの活性化を担ってもらう制度です。
(団地に住む学生が活躍する「団地活性サポーター制度」による団地活性化は浦賀・相武台・緑ヶ丘の3団地において、4つの大学との連携協定により行われている)
「地域活動をしてもらうことで家賃を減額する制度になっていますが、学生さんからは実際に住んでみるといろんな経験ができて良かったという声も聴けたりするので、公社としても学生としてもWin-Winの関係になっていると思います」




『ミドリバ』は団地の集会所で学生が主催する住民参加型イベント。「ミドラボ」の一環として月1回を目安に行われています」
ミドリバ:団地の集会所を、"みんなの居場所"として定期的に開く試みとして、令和4年6月からスタート。団地活性サポーターが企画・運営を行いさまざまなイベントを開催している。
団地活性サポーターの活動について聞いてきました。
「集会所を使ってスマホ講座やボードゲームで遊ぶ場所を使っています。」
「イベントの告知のポスターをつくったり、団地の清掃活動を行っています。」

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夏休みにはこどもたちを対象にしたスライム作り体験と高齢者向けのスマホお悩み相談会を開催しました。
スライムづくりでは、学生と親子で、絵の具を混ぜながら、それぞれ好きな色のスライムをつくりました。
※この日の様子は、こちらでもご覧いただけます。多世代交流拠点を目指して!緑ヶ丘団地集会所にて「スライム作り体験」&「スマホお悩み相談」同時開催。(2023.09.22)https://www.kousha-chintai.com/blog/efforts/post-36.php

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スマホお悩み相談会は、スマホに慣れない参加者が学生に詳しい使い方を教わっていました。

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子どもがスライムづくり体験に参加した保護者は
「なかなか大学生とふれあう機会もないので、こういう場を設けていただいて、子どもたちもすごくうれしそうで、昨日は「明日はスライム作るんだ!」と言って、楽しみで寝られないと言っていました(笑)」

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また、スマホお悩み相談会に参加した高齢者は
「スマホを買ったばかりだったので(娘や孫と一緒に住んでいないので)、助かりました。」

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企画した学生は
「スライムづくりは、子どもたちを相手にするので、教えるのにも言葉選びなどが重要で難しかったですが、子どもたちに喜んでもらえたのでとても良かったです。」
「子どもたちや年配の方もいて、自分自身もいろんな年齢層の方を話す機会が増えたことで、いろんな方とコミュニケーションがとれるようになったのがすごく成長したと感じています。」

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茶屋道さんは、実は東京工芸大学の卒業生で、この連携の発案者です。公社と大学の橋渡し、調整役として、連携協定を実現させました。
「大学と連携したころは、公社の中でも大学との連携をスタートし始めた頃でした。そういった時に、自分が卒業した大学の近くに公社の団地があるというところから、自分も大学連携をやってみたいと思い上司に相談しました。そうするとトントン拍子につながって大学連携のスタートがきれました。他の大学連携との違いは、より「ものづくり」だとか「アート」からアプローチするのが「ミドラボ」の特色です。今はインターネットが普及して、個人で一通りの物事が完結する形になってきていますが、対話を通じてふれあう機会はすごく大切だと思います。このサポーター活動「ミドリバ」という一つのコンテンツを通じて、交流する機会を生み出していけたらいいなと思っています。」

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地元にある大学の特性を活かした教育・研究プロジェクト『ミドラボ』。
公社と若い力、そして地域住民の交流が生み出す新たなコミュニティによって、より住みやすい団地づくりを目指しています。



<注>本記事は2022年~2023年にかけて取材を行ったものです。



●関連サイト

大学生が団地を盛り上げる!「第2回 団地活性サポーターミーティング」をユソーレ相武台で開催しました!(2024.04.19)
https://www.kosha33.com/life/action/supporter2.php
リノベ構想をテープで描く!ミドラボのパフォーマンスと青空おやつのイベントを開催しました(2024.04.04)
https://www.kosha33.com/life/action/midolab2.php
「ミドラボ」パネル展 in 本厚木ミロード  ミドラボの活動を紹介しています!(2024.02.13)
https://www.kosha33.com/life/action/midolab1.php
「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」に厚木市緑ヶ丘団地における提案事業が選定されました。(2023.12.22)
https://www.kosha33.com/life/action/midorabo2023.php
"ミドラボ"コーナーも!東京都写真美術館にて、東京工芸大学 創立100周年記念展「写真から100年」開催中!(2023.12.07)
https://www.kosha33.com/life/action/_midorabop.php
ミドラボinあつぎSDGsフェスティバル~厚木市緑ヶ丘団地の集会所リノベーション構想を語る~(2023.10.23)
https://www.kosha33.com/life/action/insdgs.php

職員の声
【動画あり】若手でもアイデアを実現できる職場(2024-06-25)
https://www.kanagawa-jk.or.jp/recruit/introduction/details.asp?id=40
母校とのコラボを実現、意思が尊重される職場(2020-11-16)
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関連コラム:公社創立70周年企画「皆様からの声」
"もうひとつのキャンパス"が団地にできたら 森田芳朗(東京工芸大学工学部教授)
https://www.kosha33.com/kjk70th/voice/post-10.php
団地に住みながら研究、住民目線の改善提案につなげたい 森口拓生(東京工芸大学大学院工学研究科)
https://www.kosha33.com/kjk70th/voice/post-9.php

●公社の賃貸

ミドラボという若い力が支えます「緑ヶ丘」
https://www.kousha-chintai.com/danchi-intro/other/K119632000.php

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