厚木市の未来をつなぐ!学生が地域をつなぐプロジェクト「ミドラボ」が特別表彰を受賞
コミュニティづくり2025.03.24
厚木市の歴史をぎゅっ!厚木市制70周年記念式典
2025年2月1日、厚木市は市制施行70周年を迎えました。これを記念して厚木市文化会館で記念式典が開催されました。
70年前の厚木市は、人口3万1000人の小さなまちでしたが、今では22万4000人の活気あふれるまちへと成長。
「東京から一番近い田舎」とも言われる厚木市は、自然豊かで、春の飯山桜まつりや夏の鮎まつりなど、季節ごとの行事も盛んです。
式典では、国歌斉唱や祝辞のほか、70年の厚木市の歴史が凝縮された記念映像の上映、書家の金澤翔子さんが観客の前で筆をふるう「席上揮毫(せきじょうきごう)」など、とても賑やかで豪華なプログラム。
「飛翔」ダイナミックに筆が舞い、未来へ一歩の想いが刻まれます
市制70周年のキャッチフレーズは「未来へ一歩 つながる あつぎ70年」。市への貢献や市政発展の功績をたたえて、597人150団体が表彰されました。
東京工芸大学(以下、工芸大)が、緑ヶ丘団地で取り組むプロジェクト「ミドラボ」が、未来につながるまちづくりに貢献したことを評価され、若者を対象とする「特別表彰 未来につながる一歩功労」を受賞することができました。
ミドラボって?学生が地域がつなぐプロジェクト
「ミドラボ」は、地域の活性化と大学の相互発展を目指すプロジェクトです。
工芸大と当公社が2018年1月に連携協定を締結し、ミドラボが本格始動。以来、当公社が管理する緑ヶ丘団地&周辺エリアを拠点に、大学のテクノロジーやアートの専門知識を活用しながら、住宅や集会所のリノベーションプランの設計や住環境の向上など新たな住まい方の検討や提案をしています。
また、学生が団地に居住しながら地域コミュニティの活性化の役割を担う「団地活性サポーター制度」も導入し、地域と交流する場として団地の集会所を地域にひらく試み「ミドリバ」という企画を実施しています。
2023年には、田村研究室の「団地のコミュニティベンチ ~緑ヶ丘団地のオープンストリート構想~」が一般社団法人団地再生支援協会主催「第20回集合住宅再生・団地再生・地域再生学生賞」の最優秀賞を受賞。
同年、この構想をベースにした団地を地域にひらく提案が、国土交通省所管「住まい環境整備モデル事業」に選定されるなど、ミドラボは着実な成果を上げてきました。
そして今回、厚木市から「特別表彰 未来につながる一歩功労」を受賞。
2024年12月には団地内の集会所のリニューアルが完成し、現在は、住民や地域の方々とより良い使い方の検討を進めています。
実際にプロジェクトに関わる学生たちは、この受賞をどのように受けて止めているのでしょうか?学生代表の3人に話を聞きました。
「ミドラボ」のこれまでとこれから。学生たちが語る受賞の想い
舟窪 麻友美さん(東京工芸大学大学院 工学専攻)
「表彰が決まったとき、ミドラボの活動が厚木全体に広がっていることを実感し、驚きとともに嬉しさを感じました。これからは厚木市を飛び越え、より大きなプロジェクトにしていきたいです。
歩道の施工の際、公社の方や先生方が施工費や環境、施工方法について話し合っていたのが印象的でした。学生にとっては難しい話でしたが、現場ならではの視点に触れられたのは貴重な経験でした。
私はこれから内装設計の道に進みます。ミドラボでの経験を活かし、コンセプト・コスト・要望などを総合的に考えながら最適な提案をしていきたいです。また、コミュニケーションを大切にしながら物事を進める力を磨いていきたいと思います。」
大塚 昴さん(東京工芸大学大学院 工学専攻)
「今回の表彰は本当に光栄です。大学入学後、厚木市で暮らすようになりましたが、市から表彰されるなんて思ってもいませんでした。
大学院との両立が大変な時期もありましたが、イベントの準備や当日の段取りを工夫しながら乗り越えてきました。途中で投げ出さずに続けてきて、本当に良かったです。
ミドラボを引き継ぐ後輩たちには、どんな小さなことでも、いつか自分の成長につながる。全力で取り組んで!と伝えたいです。」
田中 宰さん(東京工芸大学大学院 芸術学研究科 メディアアート専攻)
「表彰を受け、活動が外に開かれていたことを再認識しました。
2020年から関わっていますが、プロジェクトのスケール感がどんどん拡大していて、ワクワクしています。
活動を進める中で、『何か作ってやろう』という熱意でマンガや動画制作など幅広く挑戦しました。特に「ミドリバ」のクリスマス会をコンテンツ化にするにあたり、チームが絶妙に機能し、トラブルさえも補い合う様子に心の中で喝采したのをよく覚えています。
ミドラボでの経験は、動画制作をするうえでの取材や実物のキャラクターにするなど大変勉強になりました。今では、自身のYouTubeチャンネルを開設し、動画を配信するまでになりました。
私が見てきた5年だけでもミドラボは大きなプロジェクトへ進化しています。多くの人を巻き込んで活動すると、思ってもいないような方向に進んで面白いと思います。これからを担う後輩たちへはそんな台風の目になることを願っています。」
ミドラボ特設ページで、田中さんが制作したコンテンツをご紹介しています。
ミドラボの活動は、緑ヶ丘団地を取り巻く地域の人々とのつながりを生み出しています。今回の受賞を機に、さらに活動の幅を広げ、厚木市から新しいまちづくりの未来を築いていくことに期待しています。
これからも地域とともに成長していくミドラボの挑戦に注目です!