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~皆様からの声~

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団地に住みながら研究、住民目線の改善提案につなげたい

2020.11.16掲載 森口拓生(緑ヶ丘団地:ミドラボ:東京工芸大学大学院工学研究科)

Q1:「ミドラボ」そして「団地活性サポーター」とはどのような制度ですか。

「ミドラボ」は2018年に東京工芸大学と公社で連携協定を締結し、公社の緑ヶ丘団地(厚木市)を舞台に、大学が有するテクノロジーとアートの専門知識を活用し、学生によるリノベーションプランの設計や室内環境測定による住環境の向上検討、現代アートを用いた広告宣伝素材の製作などを行うプロジェクトです。
取組みの一つに「団地活性サポーター」制度(大学連携のページ参照https://www.kanagawa-jk.or.jp/action/renkei.html)があり、各大学の専門分野を活かしながら、公社の団地に居住し、地域コミュニティの活性化を団地活性サポーター(学生)、公社、地域住民とともに目指します。学業に支障がない範囲で団地内の清掃や、広報紙の配布、地域行事のお手伝いなど地域活動や自治会活動にも参加します。


今年から、大学院生になった森口さん

ミドラボのプロジェクトの一環で、大学生の時から団地の空部屋を借りて、住戸の床の遮音性能や換気・通風性能を実測していました。教授から「実際に住みながら測定してみない?」と提案され、住みながら研究もでき、大学まで自転車で10分と便利なので大学院生になった2020年6月末から「団地活性サポーター」となり入居しています。サポーターになると家賃を安価にしていだけるのでありがたいです。


部屋の中には測定器が!?

Q2:緑ヶ丘団地の住み心地はいかがですか。

ずっと都内の実家住まいだったので、団地がどういう場所でどんな人が住んでいるか全く想像できませんでした。実際に住んでみて、部屋が4階にあるのですが日当たりが良く、窓を開けると気持ち良い風が入りとても快適です。入居時に隣や下の階の方に挨拶に行きましたが、皆さん温かく迎えてくださいました。下の階の方はお孫さんも一緒にご家族で住んでいて、野菜をいただいたりお会いすると話をするようになりました。一人暮らしになるので心細く思いましたが、皆さんとても優しく見守っていただいているようで寂しさを感じることなく生活できています。驚いたのは浴槽の隣に設置された風呂釜です。風呂釜(バランス釜)を見たのは初めてでどうやって使うかわかりませんでした。夏場はシャワーしか使わなかったので、寒くなったら風呂釜で湯を沸かしたお風呂に入ってみようと思います。引越しの手伝いで両親が来た時は、昔このような部屋に住んだことがあるようで懐かしんでいました。
団地室内をそのまま使え、住みながら通風状況や音の環境など住戸の快適性に関する測定や調査ができ、部屋で計測結果を見る事が出来るのは恵まれた研究環境と思います。


最初は使い方がわかりませんでした(笑)

Q3:緑ヶ丘団地に住みどのような気づきがありましたか。

「ミドラボ」で学生に課されたリノベーションプランの提案には、部屋のお風呂が狭いことから銭湯を作りコミュニケーションの場とする案や、1階部分をつなげてデッキにすることで多世代が集う空間を構成するなど興味深い改善提案が出されています。僕が実際に住んでみて欲しいと思ったのはスポーツジムのような体を鍛えることが出来る施設です。団地内にそのような場所があれば、若者から高齢者まで使うことが出来ますし、近隣の住民の方も使えたら便利と思います。また、団地にはエレベータがないので高齢化に伴い4階建ての住棟は上階の入居率が低下していますが、学生は上の階を希望することがアンケート調査でわかりました。
実際に住みはじめて住民の視点に立った時、施設やハード面を作ってもそれだけで人は集まらないのではないかとも思っています。どうやったらその場を活用してもらえるか、実際の暮らし方に即した提案をしていくことが結果として住民の満足度や団地再生につながると思います。

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研究結果から室内環境改善に向けてのアドバイスを住民の方にした際に、住民の方から感謝をされたのがうれしかったです。

Q4:公社と連携した「ミドラボ」の取り組みをどのように思いますか。

研究を行う部屋に住み、得られた成果を住空間改善に繋げていただけるのは研究をする上で嬉しいですし、やり甲斐を感じます。これまで公社について知りませんでしたが、このような取り組みは学生にとっても住民の方にとっても有意義なのではないでしょうか。
大学院を卒業するまではこの部屋に住んで測定をして研究を続けるつもりです。これまで住民の方とはご挨拶程度で研究結果を説明するだけでしたが、自治会の活動に参加するなど交流の機会を増やし、住民の方の生の声を聞くことができればと思います。小学生の時からボーイスカウト活動をしていたので、奉仕活動や地域貢献活動は得意です。緑ヶ丘団地でも地域の皆さまと一緒に何か出来れば良いと思っています。教授に「住んでみたら」と言われた時は正直驚きましたが、教室では学べない経験をする機会を与えていただいたことに感謝しています。

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風通しがよく、日当たりもいいのでとても快適です。

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"もうひとつのキャンパス"が団地にできたら 森田芳朗(ミドラボ:東京工芸大学工学部教授)
https://www.kosha33.com/kjk70th/voice/post-10.php



「公社社員の声」
母校とのコラボを実現、意思が尊重される職場 茶屋道 京佑(ミドラボ)
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