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リノベ構想をテープで描く!ミドラボのパフォーマンスと青空おやつのイベントを開催しました
2024.04.04
2月3日から2月23日まで、本厚木ミロード4階のスカイロード(渡り廊下)にて、ミドラボのこれまでの5年間の活動を紹介するパネル展が開催されました。また、最終日の2月23日には本厚木ミロード内4階の「ミロにわ」にてイベントが行われたので取材に行ってきました!
イベントでは、緑ヶ丘団地(厚木市)の集会所リノベーション構想のために学生たちが設計した図面を、原寸大で会場床にテープで描くパフォーマンスが行われました。さらに、厚木市を拠点に活動するデザイン事務所「Tiramisu」さんの取り組みで、お絵かきをすると"ちょっといいおやつ"がもらえる「青空おやつ」とのコラボも行われ、イベント会場には多くの方が訪れてくださいました。
緑ヶ丘エリアの活性化を目指す、東京工芸大学のミドラボプロジェクト
ミドラボは、厚木市緑ヶ丘エリアの活性化に向けた神奈川県住宅供給公社と東京工芸大学による教育・研究プロジェクト。現在プロジェクトの一環として、緑ヶ丘団地の集会所のリノベーションを構想中です。
集会所リノベーションのコンセプトは「オープンストリート」。フェンスで閉ざされた団地のオープンスペースを少しずつ開きながら新しい生活の風景を生み出す構想です。団地に道を作り、交流スペースを設けることで地域コミュニティの活性化を目指すという大きなストーリーの元、集会所に土間を引き込み、開かれた空間をつくろうと検討が進められています。
23日のイベントでは、学生自らが設計した集会所の原寸大図面を9人の学生たちが会場の床にテープで描くパフォーマンスが行われました。
ただ図面をテープで描く「作業」ではなく「パフォーマンス」として受け取ってもらえるよう、事前に綿密な準備を行ったそう。企画から現場の実測など、約2か月の準備期間を経て本番に臨みました。
イベント会場であるミロード①「ミロにわ」は、パネル展を行っているスカイロードから少し離れた場所にあり、会場横は小田急線の駅改札に直結しています。人がどこから来るのか導線を考えたり、「青空おやつ」で子どもたちに絵をかいてもらう場所づくり、お菓子交換をする場所の設定など、配置を考える作業が大変だったといいます。
通常、図面は1/50や1/100など縮尺で見ることがほとんど。完成してみると、原寸大で描かれた図面は大迫力です!通行人の方々も「何をしているんだろう」と足を止めて眺めている様子が見られました!
何もないガランとした空間に学生たちの手によって集会所の図面が描かれました。事前にフローリングの色合わせを行い、図面が浮き出てるように見えるように工夫したそう
1枚目:子どもたちのお絵かきスペースは土間にあたる場所 2枚目:子供たちにお菓子を渡す場所はキッチンに設置しました
これまで、緑ヶ丘団地のプロモーションビデオを制作する、集会所近くに住民の交流の場として使える「リングベンチ」を作る、といったさまざまな取り組みを行ってきたミドラボ。
集会所リノベ構想の図面を設計した学生の舟窪さんに今後の目標を聞いてみました。「集会所の完成目標は来年の1月。自身の学業の関係で、途中でバトンタッチすることになりますが、最終的にできたものを見届けることが目標です。実際に住民の皆さんが使っている様子も見られたらすごくうれしい」と話してくれました。
ミドラボプロジェクトが開始された翌年からPR動画制作に携わった学生の井尻さんにもお話を伺いました。「ミドラボを通して、自分たちが考えたものが目の前で実現していくのが達成感とやりがいにつながっています。今後も様々な取組みや作品を通じて建築を伝え続けていきたい」とミドラボでのやりがいを語ってくれました。
左から建築学・風工学専攻 井尻さん、建築学・風工学専攻 舟窪さん、工学部建築コース 田村 裕希 准教授
学生時代に自らのアイデアや努力が具体的な形で完成することはとても貴重な経験だと思います。学生たちは、熱い想いを持ってミドラボの活動に取り組んでくれているようで、とても心強いです!
絵を描いて"ちょっといいおやつ"を。やさしさをふやす「青空おやつ」
土間を覗くと、子どもたちが絵を描いています。
今回のイベントでミドラボは、厚木市を拠点に活動するデザイン事務所「Tiramisu」さんの取り組みで、お絵かきするとおやつがもらえる「青空おやつ」とコラボレーションしました。きっかけは、2023年9月に開催されたあつぎSDGsフェスティバル。ミドラボと青空おやつは出展者同士として出会い、今回のコラボに至ったそうです。「やさしさをふやすしくみ」づくりを目指す青空おやつでは、子どもたちが描いた絵を大人が寄付という形で購入することによって、その売り上げが次回のおやつ代として循環しています。
「Tiramisu」のデザイナー、鈴木さんと松村さんが青空おやつを始めたのは3年半前。これまでは緑のまつりでお絵かきワークショップを開いていたそうですが、コロナの流行でお祭りは中止に。何か違う形で地域に貢献できないかと、子どもたちが絵を描いたらおやつを渡す「青空おやつ」を始めたとのこと。
遊びに行けない、楽しいことがない、という渦中。屋外の公園で、子どもたちが絵を描いて美味しいおやつをもらって帰る取り組みの反響は良かったそうですが、一方で難しさを感じたことも。
「おやつをもらった子どもが家に帰って親御さんに『絵を描いたらおやつをもらえた』と伝えると、活動を知らない保護者の方には怪しいと捉えられてしまうこともあって。この取り組みを知ってもらえれば、受け止めてもらえる。子どもに楽しいと思ってもらい、継続することで、この取り組みをたくさんの人に知ってもらえれば。」と、松村さんは語ります。
左:Tiramisu 鈴木さん 右:Tiramisu 松村さん
主に、厚木中央公園で開催している青空おやつ。いつもは30名前後が集まるそうです。「今回室内で開催するのが初めてなので、どれくらいの子ども達が来てくれるかな、と心配もあった」と青空おやつの鈴木さんはお話しされていましたが、蓋を開けてみると、公園での開催と変わらない数の子ども達が来てくれました。
2歳から11歳までの36人もの子ども達が絵を描きに来てくれました
「学生たちが子ども達に声をかけたりお絵かきを手伝ったりしている様子を見て、コラボできて本当に良かったと思った」と鈴木さん
今回の"ちょっといいおやつ"はヨックモックの「シガール」。大人からすると高級感のあるお菓子です。子ども目線でも「このおやつなんかすごいぞ」「デザインも可愛いし、おいしい!」という驚きと、絵を描いて楽しかったという経験を一緒にしてもらえるおやつを選んでいるのだそう。
"ちょっといいおやつ"は絵を描いてくれた子供たちに、ミドラボオリジナル手ぬぐいと一緒に渡しました。
お絵かきのお題は「おしゃべりなベンチ」か「雨の魔法使い」。ちょっとひねったお題です。以前はシンプルなお題だったそうですが、「前も同じようなお題だったね」という子供の声を反映して、子ども達に面白いと感じてもらえるお題にしているそう。
イベント終了間際、ミドラボメンバーたちもお題に沿った絵をかいていました。
大学生たちと教授は利き手と反対の手でお絵かきにチャレンジ!
今回のイベントを通して、ミドラボプロジェクトを成功させたいという学生たちの強い思いや熱意が伝わってきました。このプロジェクトを通じて、学生の皆さんが今後多くの経験を得て、さらに彼らの努力と情熱が緑ヶ丘エリア活性化につながっていくことを願っています。
これからの活動も期待しています!
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