「探そう!コミュニティの芽」vol.4~欲しい未来に寄付を贈ろう 寄付月間2025〜

コミュニティづくり2025.11.28広報担当

こんにちは。ライフデザインラボの船本由佳です。

このコーナー「探そう!コミュニティの芽」では人と人とのつながりが育まれている現場や 、その仕組み、キーパーソンなどを紹介しています。みなさんの生活や暮らし、コミュニティづくりのヒントになれば嬉しいです。

今回は、年末の恒例、寄付月間日本大通についてです。

今年も寄付月間の賛同イベントを神奈川県住宅供給公社の本社ビル1階2階で開催することになりました。寄付につながるフリーマーケット、能登被災地を支援する物販、ダイバーシティトークカードの体験、寄付に関するトークショーなど盛りだくさんの内容になっています。

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寄付月間(Giving December)とは、「欲しい未来へ、寄付を贈ろう」を合言葉に毎年12月の1ヶ月間、全国規模で行われる寄付の啓発キャンペーン

1)広がる寄付のかたち

みなさんは寄付をしたことがありますか?

東日本大震災をきっかけに寄付をしたことがある人は増えています。「クラウドファンディング」という仕組みがスタートしたことやコロナの間の飲食店や事業者への応援寄付などもあり、一層身近になったのではないでしょうか。ふるさと納税も一般的になりました。2024年に内閣府が行った「社会意識に関する世論調査」によると、60%以上の人が、日頃、社会の一員として社会のために「役立ちたいと思っている」と答えています。

日本ファンドレイジング協会による「寄付白書プラス2024」によると、日本の個人寄付推計総額は約1兆2,000億円と10年前の2.5倍(※ふるさと納税を含む)で、ふるさと納税の影響を除外しても、最新の寄付市場は拡大しています。


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パネル展示の前で。神奈川県住宅供給公社ビルで開催した寄付月間イベントのスタートは2018年。最初は、認定NPO法人地球学校、一般社団法人ユースクラシック、ライフデザインラボ、ライフドック横浜の4団体からはじまった

2)寄付月間日本大通とは?

寄付月間(Giving December)は、「欲しい未来へ、寄付を贈ろう。」を合言葉に毎年12月の1ヶ月間、全国規模で行われる啓発キャンペーンです。【アメリカで2012年に始まったgiving Tuesday に由来。アメリカの感謝祭(サンクスギビングデー)明けの火曜日でクリスマスホリデーが始まる前に設けられた寄付を考える日のことで、いまは68カ国にひろがっている。1ヶ月取り組む寄付月間はそこから発展した日本独自の乗り組み。】
日本で寄付月間が始まったのは2015年のこと。内閣府や民間企業、自治体などが推進委員会を設置し、2015年12月に第1回寄付月間が行われました。毎年全国から企画を募集しており、2025年の取り組みとしてはLINEヤフー株式会社が行うYahoo!基金(「自然災害や感染症に対する支援」と「ITを活用した社会課題の解決支援」)やナチュラルコスメブランドLUSH(ラッシュ)による寄付商品「チャリティーポット」などがあります。

寄付月間日本大通実行委員会は、2018 年に「日本に寄付文化を根付かせたい。社会のために活動する市民を増やしたい」という思いのもと、神奈川県内で活動している個人や団体が集まり、神奈川県住宅供給公社の協力のもと組織されました。多様なメンバーで複数のイベントを企画していることが評価され、2019年には日本全国で行われる寄付月間活動の中から「企画大賞」も受賞しました。毎年12月を中心に活動し、今年で8年目になります。日本大通りの神奈川県住宅供給公社で生まれた寄付コミュニティです。

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2018年のスタートからの5年までの道のりをまとめた年表


中心メンバーは、外国人の日本語をサポート、多文化共生社会に向けた活動を行う認定NPO法人地球学校の理事長、丸山伊津紀さん、補助犬をパートナーとする身体障害者(視覚障害・肢体不自由・聴覚障害)の自立と社会参加の促進を目的とする学術団体であるNPO法人日本補助犬情報センター専務理事兼事務局長の橋爪智子さん、文化的な活動と子育て支援を通して、あらゆる国籍の人々の交流を深め、外国出身者が地域とかかわるきっかけをつくるNPO法人Sharing Caring Culture代表の三坂慶子さん、そしてライフデザインラボ所長のわたし船本由佳です。毎年8月ごろに呼びかけを行い12月に行う提案を募集してプログラムを作り、次年の2月に報告を行うところまでがサイクルです。

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呼びかけ人の(右から)丸山伊津紀さん、橋爪智子さん、三坂慶子さん、そしてライフデザインラボ船本由佳。 船本を除く3人は寄付月間推進委員会が定める寄付月間アンバサダーでもある。アンバサダーを務める著名人にはアーティストで東京藝術大学美術学部長の日比野克彦さんや元プロサッカー選手で一般社団法人日本障がい者サッカー連盟会長の北澤豪さんも

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2019年に行った「企画大賞」の授賞式。「企画大賞」は寄付月間推進委員や全国の寄付月間アンバサダーの投票により選ばれる寄付月間の最優秀賞

多様なメンバーと一緒にキャンペーンに取り組むことは、個人や自団体のみで活動すること以上に得られる相乗効果があります。今年度は14団体(11月24日現在)が実行委員会に参加しています。

3)「寄付」はじぶんのための小さな一歩

私は寄付月間のイベントを経験して、気がついたことが2つあります。
ひとつは「お金の寄付」ばかりが寄付ではないということです。
誰かの活動を応援するということは、お金だけではなく、手伝いに行く、イベントに参加する、告知に協力するなど、「行動を寄付」できます。SNS投稿にいいね!をすることも応援という「寄付」です。

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2019年には参加団体がそれぞれポスターを制作し、活動成果として1ヶ月通して展示を行った。11団体のポスターがずらりと並んだ公社1階ギャラリー(当時)

ふたつ目は、寄付は誰かのためではなく、自分のためにするということです。
自分が「こうなったらいいな」という未来を思い描き、その未来に近づく活動をしている人を寄付という形でお金や行動で応援するのです。
「安心して外国の人たちと交流したい」
「貴重な伝統芸能が未来にちゃんと受け継がれていて欲しい」
「子どもが等しく教育が受けられる社会になって欲しい」
「災害に強いまちづくり」
「年をとっても健康で元気に過ごしたい」
「男女関係なく希望する仕事に就けるように」
「多様な生き方が認められて欲しい」
いろんな夢や理想があると思います。理想の社会に近づくように自分が実際に活動できればいいですが、それができるのは一握りの人たちです。直接活動ができない人は、その代わりにすでにその分野で活動している人たちのことを応援することで、自分が欲しい未来に少しでも近づけたら。そんなふうに自分の思いを乗せるのが「寄付」なのだと知りました。

「社会や地域の課題を解決する」と思うととても高尚なようですが、欲しい未来に近づくように頑張っている誰かを応援する自分のための一歩が「寄付」なのです。

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神奈川県住宅供給公社ビルが改装工事に入り、集合型での開催をしなかった2022年2023年。2022年からはメタバース空間でのキックオフを行い、架空空間でそれぞれの団体が活動告知を行った

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2023年、関東大震災から100年の年に横浜国立大学で開かれた「ぼうさいこくたい2023」に、「インクルーシブ社会のコミュニケーション防災」というタイトルで講座出展。寄付月間の活動の中で行った障害者や外国人と共に避難所運営をシミュレーションする「インクルーシブ避難所運営ゲーム」での経験を発表した

4)活動の見本市!寄付月間日本大通に足を運んでください

少子高齢化・経済格差・大雨や地震などの災害の増加・家族や働き方の多様化・健康寿命の増進・障害があっても生き生きと暮らせるための制度と知識・外国人の増加に伴う国際化など、社会は急速に変化し、対応するための地域課題は増加しています。

公的な支援やサービスに頼るばかりではなく、民間の力を引き出して互いに助け合い、学びあって、より住みやすいまちを住民自らの手で作りだすことが求められます。
一人一人の個人が頑張るばかりではなく、互いに寄り添い、時には肩を貸し、背中を押してささえあうことで、より良い方に進んでいく地域社会のつながりができることを、わたしはライフデザインラボの活動を通して実感しました。

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2025年の寄付月間イベントでは「ウキウきふリマ」というフリーマーケットを開催。リサイクル品やハンドメイド商品の販売を通して寄付について考えるプログラムをおこないます(写真は過去の様子)

寄付月間日本大通実行委員会のイベントでは、障害理解・異文化理解・コミュニケーション防災などいろんな活動を知ることができます。また、「マンスリーファンディング」「応援消費」「チャリティラン」などいろんな寄付のやり方が紹介されます。助け合いの仕組みを紹介する見本市のようなものです。
また、このイベントは一人では無力でも誰かを支援することで社会をより良い方向に変えていけると信じる個人の集まりでもあります。
地域のために役に立つ一歩を踏み出す勇気を持つには、まずはその背中を押してくれる仲間と、すでに活動している団体や地域とのあたたかな関係性を築くことが大切です。

12月は寄付月間。あなたも欲しい未来に寄付を贈ってみませんか?

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2024年に引き続き、2025年も神奈川県住宅供給公社で「寄付月間日本大通」のイベントをおこないます。ぜひ足をお運びください!

イベント告知

『寄付月間2025日本大通 〜寄付でつなぐ未来へのバトン〜』
https://kifu-kosha33.jimdofree.com/

※2025年11月24日時点

12月13日・14日のイベント

  • ウキウきふリマ 【主催:ライフデザインラボ×日本補助犬情報センター】
     みんなでフリーマーケット!出店することが寄付になる

服・不用品、ハンドメイド用品、ハーブ、保護猫グッズなどの販売、クリスマスや新年飾りのクラフト・絵本・マイクロプラスチッククラフトなど体験ワークショップなど
「ウキウきふリマ」の寄付は?
出展者からの出店料を主催者がとりまとめ、全額下の三つの社会活動団体に寄付を行います。会場では寄付先の3団体のプレゼンテーションを行い、来場者からの投票で寄付額の割合を決定します。

①ざま子育て応援プロジェクト!(ざまKOP)(座間市で子育て応援を行う団体。座間東原団地の集会所活用プロジェクトに参画し、集会所の地域活用に努めている)
②NPO法人日本補助犬情報センター(障がい者の暮らしを支える補助犬についての情報発信と障害理解のための活動)
③雄勝ローズファクトリーガーデン(宮城県石巻市で被災した土地を緑化をすることで人のつながりをつくりだす。運営は一般社団法人 雄勝花物語)

  • 森ノオト マンスリーサポーター【100名】募集! 寄付メディア「森ノオト」の情報発信の今をお見せします!【主催:森ノオト】
  • もっと能登のこと 【主催:ソナYellラボ】
  • イツモ防災×ソナYellラボ 〜ソナエの一歩を始めよう〜 【主催:ソナYellラボ】
  • ワークショップ「ダイバーシティ・トーク」カード 【主催:SCC】
  • オンラインもじもじKING~寄付月間スペシャル @Zoom 【主催:地球学校】
  • 恐竜フィギュア・紙袋・壊れたPC・貝殻・外国のコイン・化石・きれいな石など集めています【主催:理科クラブ】
  • 焼き菓子販売【主催:3時のおやつクラブ SHARE!】

ほか

本年度は現時点で13の企画を予定しています。様々な企画を通し、参加による寄付や、買い物を通しての寄付、物を提供することによる寄付など、多様な寄付の形をお伝えします。

公社の場以外・メイン企画日以外での開催企画

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