厚木のイベントに登壇!ミドラボのリアルな声を届けました
コミュニティづくり2025.11.10
9月6日(土)、厚木中央公園で開催された「第53回神奈川ブロック大会厚木大会×あつぎ DREAMフェスタ2025」に、公社と東京工芸大学の教育・研究プロジェクト「ミドラボ」のメンバーが登壇しました。
この大会は、公益社団法人日本青年会議所 関東地区神奈川ブロック協議会が毎年開催するイベントで、今年は厚木市がその会場となりました。地域の課題解決や人づくり・まちづくりに取り組み、行政や市民、若者が協力しながら持続可能な地域社会の実現を目指す運動を展開しています。
若者を中心メンバーとしたミドラボの取り組みが「地域活動に一歩踏み出した若者のリアルな声」としてヒントになるのでは?と期待してくださり、実践談を共有するトークセッションへの登壇依頼をいただきました。
この日は前日の大雨が嘘のように晴れ渡り、真夏のような日差しの中での開催。会場には多くの人が集まり、熱気あふれる1日となりました。
トークセッション「小さな"好き"を大きな航海へ」
登壇したのは、緑ヶ丘団地(厚木市)の集会所で大学の研究テーマに基づき週1回のペースで活動している石坂さん、団地活性サポーターとして団地に住みながら活動する高橋さん、そして主にミドラボ立ち上げ初期に活動に参加していたメンバーの田中さん。
トークセッションのテーマは「好きや得意が未来をつくる または 若者×地方創生」。
登壇したメンバーが、地域と関わる活動の中で得たリアルな想いを語りました。
一緒にクロストークをしたのは、アパレルブランド株式会社yutoriを立ち上げ2023年に最年少で東証グロース市場に上場を果たした"ゆとりくん"こと片石貴展さんと、司会を務めるフリーアナウンサーの馬場ももこさんです。
ミドラボとは?
2018年、東京工芸大学(以下、工芸大)と神奈川県住宅供給公社が連携協定を締結。
緑ヶ丘団地とその周辺の地域活性化を目指し、教育・研究プロジェクトとして「ミドラボ」がスタートしました。
団地の住民だけでなく、地域の人もふらりと立ち寄れるような交流の場をつくり、緑ヶ丘エリアのコミュニティ全体の活性化を目指して取り組んでいます。

多世代交流拠点を目指して!緑ヶ丘団地集会所にて「スライム作り体験」&「スマホお悩み相談」同時開催。
トークセッションで馬場アナウンサーから、「ミドラボで活動していてよかったこと」を聞かれると
石坂仁志さん(工学部工学科建築コース4年)
「いつもイベントに参加してくれる住民の方から、『住民同士のちょっとした会話が増えたよ』と言われると嬉しい。まさに自分の取り組みがコミュニティを育んでいることが実感できます。これからも住民同士の交流のきっかけをつくっていきたいです。」

ミドリ部という、草花を育てるガーデニング活動を通じて、学生と住民、住民同士の交流機会と日常の小さな楽しみを作っていくことを目的とした企画も。
高橋凛さん(工学部工学科建築コース 4年)※凛の正しい表記は、「禾」を用いた漢字
「大学2年生の頃から緑ヶ丘団地に住みながら、『団地活性サポーター』としてコミュニティづくりの活動をはじめて2年になります。団地の集会所からスタートした活動が、近所の小学校の総合学習の授業に呼んでいただいたり、今日のイベントに呼んでいただいたり、少しずつ地域との繋がりが広がっているなぁと実感しています。」
田中宰さん(2023年3月東京工芸大学大学院芸術研究科修了、現在東京大学大学院総合文化研究科 博士1年)
「ミドラボの立ち上げ初期から関わり、学生がさまざまな課題に直面しながらも進めていく様子を見てきました。その過程での試行錯誤を間近で見てきたからこそ、こういった場に呼ばれるようになったり、ミドラボの活動が授業の単位につながったり、後輩たちが着実に取り組んでいる姿を見ると、基盤が少しずつ形となり、広がりを見せているのを実感しています。」
田中さんが活動の様子を描いた漫画(2023年3月発行、クリックで閲覧できます)
ミドラボの主な活動拠点である緑ヶ丘団地集会所は今年2月に改修工事が完了。
集会所をもっと居心地のよい、交流の生まれる空間にするために、建築やデザインを学ぶ工芸大生がディスプレイウォールを制作したことも。
7月には、リニューアルした集会所で初めて飲食を伴うかき氷イベントを開催。子どもから高齢者まで幅広い世代が集まり、大いににぎわいました。
「食」があるとコミュニティが生まれやすく、会話が盛り上がるきっかけに。「これからも食を通じたイベントをやっていきたい」と意欲を高めています。
ミドラボの活動の幅は、多方面に広がっています。
地域とさらにつながり、仲間を広げていくために
一緒にコミュニティづくりに取り組んでくれる担い手を増やしていくことも課題のひとつ。
日々の活動を通して、コミュニティを育むミドラボメンバー。石坂さんは、「団地のコミュニティの中心が、学生から地域の方へと自然にバトンが渡っていくのが理想」と話します。
片石さんから「地域の人が集まる場所に思い切って飛び込んでみては?仲間になってくれたり、サポートしたりしてくれる人に出会えるかも。例えば地元の居酒屋に顔を出してみるとか。」というアドバイスがありました。すると、客席から「駅前のこの店がおすすめ!」と声が飛ぶ場面もあり、ミドラボのメンバーたちは「行ってみます!」と地域の人と人とがつながるきっかけの大切さを感じられる瞬間でした。
ミドラボメンバーは、今回のトークセッションを通じて、緑ヶ丘団地のある「緑ヶ丘4丁目」という限られた視点だけではなく、より俯瞰した発想につながるヒントを得られたようです。
「今日この場に呼んでいただけて、活動を地域の方に知ってもらえたこと自体が成果のひとつ」と振り返り、これからの活動に前向きなエネルギーを得た様子でした。
今回の登壇は、メンバー自身の言葉で地域活動のリアルを伝える貴重な機会となりました。
もちろん、集会所でのイベントへ多くの方に来ていただくことも大切ですが、それ以上に地域の方々と共に一緒にコミュニティを育てていくことが、持続的な活動につながっていくと思います。
そのためにも、SNSを活用したり、地域の方々と直接つながりを持ちながら、少しずつ活動の輪を広げてい必要があると感じています。
今後もミドラボは、団地や地域を舞台に「住んでいてよかった」と思えるコミュニティづくり、居場所づくりに取り組んでいきます。

