公社の健康寿命延伸の取り組み 「ヴィンテージ・ヴィラ横須賀」・「ヴィンテージ・ヴィラ洋光台」の入居者と学生が秋の健康メニューを一緒に考案!
公社のこと2025.02.05
神奈川県住宅供給公社では、公社の介護付有料老人ホーム(入居時自立)「ヴィンテージ・ヴィラ」にて、人生100歳時代における健康寿命延伸に向けて、「バランスのとれた食事」「適度な運動」「生きがい」の3つの取り組みを行っています。
この取り組みの一つ「食事」について、「食事・栄養・体力づくり」の分野を中心に健康寿命の延伸に取り組むため、2016年に神奈川県立保健福祉大学(以下、県立保健福祉大学)と連携協定を締結しました。2017年からは介護状態になりにくい独自の「健康メニュー」の開発に取り組んでいます。2023年8月からは、入居者と学生とが共同で、メニューを考案する取り組みを始めています
前回の2023年10月23日(月)には、ヴィンテージ・ヴィラ横須賀(以下、VV横須賀)と県立保健福祉大学の共同企画により、県立保健福祉大学の栄養学科の学生とVV横須賀のご入居者14名と一緒に、VV横須賀ダイニングルームにて「食」や「健康メニュー」について座談会を行いました。
「みんなでつくる秋の健康メニューを提案しましょう!」
今回は、2024年10月18日(金)にVV横須賀【参加者23名】、10月25日(金)に新たにヴィンテージ・ヴィラ洋光台(以下、VV洋光台)【参加者20名】にて、「食」や「健康メニュー」について座談会を行い、入居者と学生とでメニューを考案しました。
「みんなでつくる秋の健康メニューを提案しましょう!」と題し、まずは、県立保健福祉大学の倉貫教授よりメニューの提案についてレクチャーがありました。
「健康な食生活は、昔ながらの日本型の食事『一汁三菜』が基本になっています。
『一汁三菜』とは、ご飯に汁もの、おかず3種(主菜1品、副菜2品)で構成された献立です。ご飯でエネルギー源となる炭水化物を、汁もので水分を、おかずでその他の栄養をバランスよくとることができます。
今日はこの『一汁三菜』を意識して、主食、主菜、副菜の3種類を考えてみましょう!」
入居者と学生、施設職員がグループに分かれ、主食、主菜、副菜の3種類を選んでメニューを作っていきます。
●VV横須賀
「秋なのできのこを使った料理は?」
「きのこだと、炊き込みご飯?」
「栗ご飯もいいね!」
いろんな秋の旬なメニューが出てきます。
●VV洋光台
「秋はやっぱり、さんま!」
「さんまも良いけど、鮭もいいね」
「あったかいシチューやカレーは?」
皆さん、食べたいものがどんどん出てきます。
好きなもの食べたいものだけを提案するのではなく、主食、主菜、副菜の3種類をグループで考えて選ばなければいけません。そこは皆で話し合って決めていきます。
学生と入居者、年齢差はあるものの、好きな食べ物や料理について世代はあまり関係ないようです。和気あいあいとした雰囲気で会話は弾みました。
学生たちは、
「皆さん優しく接してくれて、楽しいワークショップになりました。」
「皆さん健康を意識していて、勉強になりました」
「食の知識が豊富でビックリ!」
など刺激を受けたようです。
今回は、高齢者の睡眠の質や生活習慣を知るためアンケートと握力測定も行いました。
こちらは、学生の卒業論文や学術的な公表の場(学会や学術論文)で発表していくとのこと。
握力測定やアンケートを通じて、筋力低下の有無、フレイル(加齢によって心身機能が低下し、要介護状態に近づいてきた状態)のリスク、クロノタイプ(身体に備わっている1日周期のリズム)、睡眠の質、身体活動量、食事の摂取状況について調査を行います。
この研究では、生活リズムや睡眠の質が高齢者の筋力低下に与える影響を解明し、その結果を基に高齢者の健康維持と生活の質向上に貢献することを目的としています。
秋の健康メニューが完成
そして、約1か月後、メニューが完成しました。
皆さんの提案を参考に、旬な食材を使い栄養バランスも考えた秋の健康メニューです。
VV横須賀メニューは11月23日の夕食(990円)に採用
さんまの塩焼き、前菜三種(かつおのたたき、きざみとろろ、安納芋の天ぷら)、きのこの炊き込みご飯、みそ汁、漬物、柿
(栄養価:エネルギー636kcal、たんぱく質29.4g、脂質23.6g、食塩相当量3.2g)
秋を凝縮したような贅沢なディナーメニュー。前菜三種(かつおのたたき、きざみとろろ、安納芋の天ぷら)は秋の良いとこ取りといった感じで、さんまも脂がのっていました。
VV洋光台は11月27日のランチ(486円)に提供
銀鮭の塩焼き、炊き込みご飯、ほうれん草と菊の和え物、具沢山味噌汁、柿
(栄養価:エネルギー601kcal、たんぱく質32.4g、脂質17.0g、食塩相当量2.7g)
銀鮭は身が厚く皮もパリパリに程よい塩加減。味噌汁も具沢山ですが、炊き込みご飯も具沢山!
どちらも秋の味覚満載で、素敵な秋の健康メニューができました。
VVではバランスの良い献立を考え365日3食いつでも出来たての料理を提供しています。
毎日の料理も人気ですが県立保健福祉大との特別メニューということもあり、VV横須賀ではオープン前に並ぶ光景も。
VV横須賀
VV洋光台
それぞれこの日の喫食数は、VV横須賀が11月ナンバー1の90食、VV洋光台は通常喫食数30食ちょっとなのですが、この日は49食ということで、人気の高さがうかがえます。
今回も、皆さんに喜んでもらえたようです。
入居者と学生は「食」を通じて、交流し、楽しみながらメニューを考えていました。秋の味覚や栄養を考えながら食べたいものをみんなで話合う入居者は、とてもいきいきとしていたのが印象的でした。
公社では、今後も「食」について、県立保健福祉大とタッグを組み、入居者の健康寿命延伸に向けて、取り組んでいきたいと思います。
今回のこの取り組みは、公社発行のシニア向け情報誌「シニアライフ」91号でも取り上げています。こちらもご覧ください。
https://vintage-villa.net/club/#archive
関連サイト
ヴィンテージ・ヴィラWEBサイト
https://vintage-villa.net/