住まいとくらし~昭和から現在、そして「未来へ、これからも。」公社アーカイブ20年史③
団地コラム2025.06.13
2025年9月15日、神奈川県住宅供給公社は創立75周年を迎えます。
神奈川県住宅供給公社の前身である「財団法人神奈川県住宅公社」が設立されたのは1950年(昭和25年)のこと。戦後の住宅不足の解消と都市の不燃化を進め、急増する県内人口に対応する大規模住宅団地の建設、先駆的なモデルとなる住宅供給など、常に時代の要請に対応した住まいとくらしを提供してきました。現在もコミュニティを醸成する住宅や、保有資産を活用した団地や周辺地域の活性化により、よりよい豊かな暮らしの提案をしています。
この75年を6回の連載で公社の年史と共に振り返っていきます。
公社のこれまでの年史は公社のアーカイブ「年史」WEBページでご覧いただけます。
https://www.kanagawa-jk.or.jp/outline/archive/nenshi.html
住みよい暮らしを創る 神奈川県住宅供給公社20周年記念誌(1971年11月)←クリックすると年史の電子ブックに飛びます
公社の創立20 周年を記念してつくったもので、15 周年記念誌と同様に当時の人々の暮らしの1 ページも切り取った写真集的な部分に加え、創立以来の20年間の歴史を振り返る社史的なコーナーもあります。
1960(昭和35)年から開発を行っていた「汐見台団地(横浜市磯子区)」(約72ha)に暮らす人の様子の他、1966(昭和41)年に「神奈川県住宅供給公社」に組織変更され、分譲住宅の供給に舵を切った時期でもあり、分譲団地や低層階に店舗が入る分譲共同ビルもたくさん写真が掲載されています。
この写真のキャプションには
この子供たちの笑顔が、いつの日も絶えることのないように、私たちはよりよい環境づくりを心がけなくてはならない。
と記されていて、数ある年史の中でも子供たちの写真が多く使われています。
このころは、日本経済の高度経済成長期であり、大気汚染、水質汚濁、自然破壊など環境問題が日本各地で起きていた時代です。環境づくりを心がける公社の気持ちが込められているようです。
また、この記念誌の注目すべきは、新社屋(現在の本社ビル)がこれから建設されるという時代で、これまでの公社事務所の変遷が記載されています。
新社屋ついては「冷暖房の熱源を電気に求め周囲に大気汚染のないよう公害にも配慮してある」「将来の職員増加に対応できるよう」など、11 階建てのビル建設への期待が記されています。
20周年記念誌には昭和25年の設立当時から現在の日本大通りの本社ビル(当時は建設中)まで神奈川県住宅供給公社の事務所の変遷が記載されています。
下の動画は2024年の本社ビル大規模改修工事完成を機にこの20周年記念誌に記載された公社事務所の変遷を動画にしたものです。
ぜひ、ご覧ください。
https://youtu.be/YoVhZ43khTQ
1950(昭和25)年9月に設立された「財団法人 神奈川県住宅公社」は1966(昭和41)年6月に神奈川県を設立者とした特別法人「神奈川県住宅供給公社」に組織を変更しており、この20年史より名前が変更されています。
そして組織変更を受け、新たに積立分譲住宅事業が始まり、建設戸数、管理戸数は累増等発展の一途をたどっていきます。
年間建設戸数約4,000戸、管理戸数29,000戸(分譲住宅を含む)、設立以来の建設戸数は累計36,000戸に達しました。
20周年記念誌には今回紹介したものの他にも、公社の事業概要や事業費一覧、建設事業一覧、平面計画の変遷、住宅プラン集、配棟図集などのコーナーがあり、数ある周年記念誌の中でも盛りだくさんの内容となっています。
空から見た団地としていくつもの団地の航空写真も掲載されています。
次回は、「住みよい暮らしを創る 神奈川県住宅供給公社25周年記念誌」と「住まいとくらし ~住みよい暮らしを創る 神奈川県住宅供給公社30周年記念誌~」をご紹介します。