UR都市機構と情報共有!住みやすさを作る 団地コミュニティ活性化に向けた事例を共有しました!

コミュニティづくり2024.12.10

9月3日(火)、公的な賃貸住宅を管理・運営するUR都市機構(以下UR)、URコミュニティのご厚意で、コミュニティマネジメントの実践事例を学び合うことを目的として、「ヌーヴェル赤羽台」にあるコミュニティスペース「Hintmation」を視察させていただき、併せて公社物件事例を紹介するなど団地コミュニティ活性化の情報を共有しました。

より良い居住環境づくりに向けて、新たな知見を得る貴重な機会となりました。

JR赤羽駅から徒歩数分の「ヌーヴェル赤羽台」(東京都北区)は、1961年にURが管理を開始した団地。もともとは「赤羽台団地」という名称で、3,373戸を有し、東京23区内で初めて1,000戸を超える大規模団地だったそう。

老朽化が進んだため、1999年度から約25年にわたって建替え事業が行われました。

建替え後、団地は「ヌーヴェル赤羽台」と名称を変え、一部は大学用地として東洋大学に譲渡されています。総戸数は2,776戸となり、賃貸住宅のほかにも商業施設や保育園、集合住宅の歴史を学べる「URまちとくらしのミュージアム」など、多様な施設が整備されています。

コミュニティハブ「Hintmation」

今年4月にヌーヴェル赤羽台15号棟の1階に「Hintmation」(ヒントメーション)がオープンしました。

「Hintmation」は、「ヒント」と「インフォメーション」を掛け合わせた造語で、URがプロデュースするコミュニティ活動の拠点。多様なヒトモノコトに触れ合う機会を増やし、暮らしに新たな楽しみをもたらすような、ゆるやかに人と人がつながり支えあう関係づくりを目指しています。

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団地コミュニティを活性化する「コミュニティマネージャー」

近年、マンション市場ではコミュニティマネージャーの存在が注目されています。当公社でも「フロール元住吉」(川崎市中原区)の守人(もりびと)や「フロール横浜井土ヶ谷」(横浜市南区)のいどばたスタッフといったコミュニティマネージャーによって、地域と入居者、また入居者同士を結ぶコミュニティ醸成を行っており、コミュニティマネジメントを行なっている物件の居住者満足度の高さを、入居者の生活実感アンケートで確認することができています。

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1枚目:フロール元住吉 2枚目:フロール横浜井土ヶ谷

当公社の賃貸住宅の場合、公社が描くその物件の将来像に共感し協働してくれるコミュニティの専門家にコミュニティマネジメントを委託していますが、適切な委託先が見つからない場合、コミュニティマネジメントの実現が難しいという課題があります。「Hintmation」がひと味違うのは、コミュニティマネジメントの役割を担うスタッフ(愛称)「ヒントさん」をURコミュニティの職員が担っていること。

「Hintmation」のように管理会社がコミュニティマネージャーを派遣できれば、自治会の維持を課題とする経年団地や、あまり使用されていない集会所などでも、居場所づくりやコミュニティ醸成が進みやすくなります。

現在、「ヒントさん」はコミュニティの専門家をアドバイザーに研鑽を積まれているとのこと。これからのURコミュニティの強みになると感じました。

コミュニティづくりの未来を探る!実践事例の共有

9月3日(火)、コミュニティマネジメントの実践事例を学び合うことを目的として、URにご協力いただき、「ヌーヴェル赤羽台」の視察とお互いのコミュニティ醸成の取り組みに関する意見交換会を行いました。

参加したのは、地域コミュニティをつくり豊かな暮らしを提案する「HITOTOWA」、当公社のコミュニティ醸成を含む団地再生を担当する部署を筆頭に、コミュニティ醸成に興味を持つ若手職員、当公社の住宅の管理・保全を行っている「かながわ土地建物保全協会」の職員です。

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ヌーヴェル赤羽台:賑わいを生むHintmation

最初は、「ヌーヴェル赤羽台」をご案内いただきました。

「Hintmation」で日常的に行っている窓ガラスへのドローイングや内部の様子、「SWITCH STAND FARM」というリサイクルコンポスト(野菜くずや残飯などの生ごみを堆肥に変えて活用すること)と菜園プロジェクトなどを見せていただきました。

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1枚目: Hintmationに立ち止まってもらうキッカケづくりとして企画した「窓ガラスドローイング」。1か月間で200名以上が描き、企画は大成功だったそう
2枚目:SWITCH STAND FARM。菜園スペースでは、たくさんの季節野菜が育てられていました。

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1枚目:Hitmationスペース 2枚目:Hintmationにはカフェスペースも併設されています

ご案内いただいた後は、「Hintmation」の向かいにある会議スペースで情報共有と意見交換会を行いました。

「Hintmation」は、持続可能なコミュニティ形成に向けて、UR都市機構、東洋大学、URコミュニティ、日本総合住生活の4社の共同研究で行われています。「団地をもっと楽しく」というテーマのもと、コミュニケーションを促進し合える場を目指し、賑わいを作り出すハブとしてコミュニケーションの種をまく役割を担っています。

賃貸物件の特性上、人の入れ替わりがありますが、「Hintmation」を訪れることで、引っ越してきたばかりの住人も地域の情報を得ることができるようになっているとのこと。

また、試行錯誤を重ねながらワークショップやイベントを開催されていて、子ども向けのイベントでは親同士の交流の場にもなっていて、繋がりが少しずつできているのを感じているそう。

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Hintmationに常駐する「ヒントさん」のトレードマークは赤い帽子。「ヒントさん」にもお話をお伺いさせていただきました

フロール元住吉:地域とつながる豊かな暮らし

「Hintmation」についてお話を伺った後は、近年の働き方の多様化やライフワークバランスの考え方の変化、そして公社がこれまで行ってきたコミュニティづくりの取り組みの経験を踏まえて、2020年に竣工した、当公社が管理・運営する「フロール元住吉」でのコミュニティマネジメントを行うに至った経緯をご紹介しました。

「フロール元住吉」では、入居者向けの月刊通信や、入居者同士の交流やリモートワークの場として活用されているシェアラウンジ、地域住民と入居者をつなぐ地域交流スペース「となりの.」などがあります。

質疑応答では、「コミュニティ醸成スタッフは何人いる?」「管理会社とコミュニティ醸成スタッフの立場のすみわけは?」「集客や活性化の工夫は?」など、具体的な質問が飛び交い、お互いに多くの意見を交換・共有することができて非常に有意義な時間となりました。

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貴重な機会に公社職員たちは真剣!共有いただいた情報を漏らさずメモを取っていました

今回の視察と意見交換会を通じて、「ヌーヴェル赤羽台」のコミュニティ形成に関する取り組みを深く理解することができました。個人名ではなく、「ヒントさん」という愛称で親しまれていることがとても印象的でした。

参加した公社職員の感想も多岐にわたり、

「公社では比較的小規模コミュニティに対してアプローチしているが、大規模物件でのコミュニティの形成の話を聞けて、今後の展開が興味深い」

「これまで外部委託でコミュニティ醸成の経験値を重ねてきたが、今後徐々に業務を進展することができれば、超高齢化や地域活動の担い手不足が課題となっている経年団地も含めてコミュニティサポートを行うことができるのでは」

など、コミュニティづくりの方向性や取り組み方を再確認する貴重な時間となりました。

今回の学びを生かし、当公社が運営する団地さらなるコミュニティ醸成に取り組んでいきたいと思います。

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公社職員たちは、意見交換会の後、Hintmation併設のカフェで腹ごしらえをして「URまちとくらしのミュージアム」へ

関連WEBサイト

人と地域をつなぐ賃貸住宅「フロール元住吉」
https://www.kousha-chintai.com/danchi-intro/kawasaki/K120191000.php

フロール元住吉「守人」
コミュニティと"ほどよく"つながる新生活を満喫!
https://www.kosha33.com/kjk70th/voice/post-11.php

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