【団地×大学生】団地をもっと楽しく!第3回団地活性サポーター交流会レポート
コミュニティづくり2025.05.22
3月23日(日)、ぽかぽかと温かな春の訪れを感じる穏やかな午後に団地活性サポーターの交流会を開催しました。
今回で3回目となるこの交流会は、年に一度、各団地の団地活性サポーターが会する貴重な機会。
今回のテーマは「今、各団地で行っている取り組みをアップデートしよう!」。
サポーター同士がアイデアを出し合い、活動をより良い形に進化させることを目指しました。
団地活性サポーターって?
団地活性サポーターとは、それぞれの団地に居住しながら、地域交流やイベント運営を通じて、住民同士のつながりを深め、地域活性化を目指す活動をしている大学生たちのこと。
大学での専門分野を活かし、試行錯誤を重ねながら団地の暮らしをより楽しく、豊かにするために日々取り組んでいます。
今回の交流会の主な目的は、異なる団地のサポーター同士が出会い、今までの活動で得たノウハウを共有し、新しいアイデアを生み出すこと。日々の活動で感じている課題や悩みを共有し、より良い形にブラッシュアップしていきます。
それでは、交流会スタート!
進行を担当したのは、東京工芸大学出身の職員。緑ヶ丘団地の団地活性サポーターの先輩です!
この日参加してくれたのは、浦賀団地2名+OG1名(オンライン)、緑ヶ丘団地2名、相武台団地1名のサポーターたち。和やかな雰囲気の中、交流が始まりました。
まずは自己紹介からスタート。名前だけでなく、「団地暮らしのコツ」や「活動で大切にしていること」など、暮らしのエピソードをひとつ添えて紹介するルールにしていました。
すると、「駅まで40分かけて歩いているんです」「安いスーパーまで少し遠くても通ってます」など、それぞれが日々の暮らしで工夫していることが次々に飛び出し、生活の知恵や体験談を共有するうちに、自然と会話が弾んでいました!
なかには、1年前の交流会やイベントで、何度か顔を合わせたことのあるサポーターも
各団地の活動と課題
続いてはグループワーク。
各団地の取り組みを振り返りながら、課題の共有、解決策をみんなで考えていきます。
浦賀団地×神奈川県立保健福祉大学
毎月第4日曜日、学生たち手作りのお昼ごはんを団地の居住者と一緒に囲む「どんぶりの会」や、OGと一緒に運営する「茶処うらが」など、食を通じた交流の場が開かれています。
これまで「どんぶりの会」では、なんと200円(!)で提供していたどんぶりですが、最近の物価高騰でかなり厳しい模様。
300円への値上げや、ごはん持参制、おかわりの追加料金制など、さまざまな策が出てきました。
また、毎回たくさんの方に来ていただいてはいるものの、「参加者がいつも同じ顔ぶれになってしまう」という悩みも。どうすれば新しい人にも足を運んでもらえるか、みんなで知恵を出しあいます。
相武台団地×相模女子大学・相模女子大学短期大学部
欅ハワイアンフェスタ実行委員会(商店街を盛り上げようと集まった有志)主催のハワイアンフェスタやクリスマスマーケットなど、にぎやかなイベントが開催されている相武台団地。
イベントでは、手作りのフルーツポンチやチョコマシュマロを販売すると、毎回あっという間に完売!ただ、毎回準備や当日の運営に人手が足りず、「もっと手軽に出店できる案はないか?」という課題が上がっています。
他にも、相武台団地商店街にある多世代交流スペース「ユソーレ相武台」のスタッフと一緒に活動したり、自治会と一緒に毎月の防犯パトロールに参加したり。週4回行われている朝のラジオ体操の運営を手伝うこともあり、大忙しです!
緑ヶ丘団地×東京工芸大学
『緑』ヶ丘団地で、居『場』所を作ることを目指して、団地の集会所で『ミドリバ』という名前で、楽しく集まれる場所をつくってきました。
これまで、ミドリバではスライムづくり体験やクリスマス会、高齢者向けのスマホお悩み相談会などを開催しています。
しかし、2024年8月から約6か月の間、活動拠点となっていた集会所の改修工事が実施されることとなり、活動が思うように進められない期間がありました。
この期間中には、地域の公民館による子ども縁日というイベントを手伝ったり、浦賀団地のサポーター活動を視察したりと、新しい活動のヒントを探す動きもありました。
今後は、ミドリバ認知度アップと食をテーマにした取り組みが、次のチャレンジになりそうです。
浦賀団地では9名、相武台団地では3名、緑ヶ丘団地では5名のサポーターが在籍(交流会当日時点)していますが、
どの団地でも共通の悩みは「サポーターの人数が足りない」ということ。実習や授業が重なると、活動できる人が限られてしまうのが現状です。
「おもてなし」じゃなくて、「一緒に楽しむ」住民巻き込み型のアイデア続々!
グループワークが進む中、相武台団地のサポーター活動の1つである「地域行事での屋台出店」において「毎回企画を考えるのが大変」という悩みに対し、緑ヶ丘団地のサポーターが文化祭の経験を活かした新企画を提案。
「ポップコーンの屋台はどう?少人数でも運営しやすいし、フレーバーを変えることでバリエーションも出せる。」
「ポップコーンにフレーバーを振りかけて、お客さん自身でシャカシャカしてもらえば、それ自体が楽しいアクティビティになりそう!」と、盛り上がりをみせます。
他にも、「企画に参加してくれた地域や居住者の方を、お客さんとして『おもてなし』をするのではなく、一緒にやってもらうのはどうだろう」
「楽しいことを共有しよう!という流れが作れたらいいんじゃない?」
「これまで活動をしてきて、手伝いたいと言ってくれる方がいる。巻き込んでしまおう!」
といった新しい視点が飛び交いました。
大人たちは学生たちに圧をかけないよう、少し離れた場所から聞き耳を立てています。興味津々の様子です
各団地の今後の挑戦
グループワークで出たアイデアをもとに、団地ごとにどう活かすかを検討。
模造紙に書き出して、各団地の今後の挑戦を発表しました。
緑ヶ丘団地
共通の悩みであるサポーターの人出不足に対して、定例企画にすることで準備に係る労力を省力化する事から発想し、ミドリバの活動スタート当初に開催されていたお茶会を定例企画として復活させ、高齢者の交流の場を作ることにしました。「サポーターと話をする場」ではなく、「参加者同士の会話が生まれる場」を目指します。
浦賀団地
定例企画のどんぶりの会のブラッシュアップに加え、新たに「甲子園などのパブリックビューイング」や「健康セミナー」の企画が挙がりました。
相武台団地
ハワイアンフェスタでのポップコーン販売を検討。ファミリー層が多い地域ならではのイベントとして、子どもたちに人気のポップコーン屋の運営を考えます。
今回の交流会で生まれたアイデアは各団地で試してみることを目指します!
学生たちの発表を聞いた公社職員からは、
「それぞれのメンバーの能力を活かしたアイデアがたくさんあって、わくわくして聞いていました。公社職員もサポートしていきます!」
「どこの団地でも、お住まいの皆さんは学生と話したいと思っているはずです。公社には『こういったことができないか』『こんなものを準備してほしい』といった提案、お待ちしています!」と期待の言葉をお伝えしました。
「リソースが足りない」「新しい参加者がなかなか集まらない」といった悩みは尽きません。
でも、それ以上に「楽しいことを共有したい」「もっと団地を盛り上げたい!」という熱意があふれて、ちょっと、眩しく思えたりする交流会でした。
異なる団地のサポーターが集まり、アイデアを出し合うことで、新しい取り組みが次々と生まれて、「こんなことをやってみたい!」という気持ちが形になり、実際に動き出そうとしています。
とにかく、やってみることが大事!
団地の活性化は、住民やサポーターの想いが原動力。今回の交流会で生まれた新たな挑戦が、団地の未来をさらに明るくしていくことを期待しています!
関連Webサイト
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公社の賃貸ブログ:大学と連携した取り組みの記事一覧
Kosha33ブログ:団地活性サポーターの記事一覧