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神奈川県住宅供給公社の大学連携「団地と大学、地域をつなぐプロジェクト」竹山団地(横浜市緑区)×神奈川大学 〜学生の地域活動による団地住民とのつながり〜

コミュニティづくり2024.10.31

団地と大学、地域をつなぐプロジェクト

竹山団地(横浜市緑区)×神奈川大学〜学生の地域活動による団地住民とのつながり

神奈川県住宅供給公社では神奈川県内にキャンパスを持つ大学と連携、大学ごとの専門性を活かしながら、若い担い手と地域の方々との連携による新たな取り組みが、いま始まっています。

団地と大学、地域をつなぐプロジェクト 
竹山団地(横浜市緑区)×神奈川大学 〜学生〜
大学連携紹介動画(https://youtu.be/JwFc_3WO5rM

竹山団地は、横浜市緑区の里山を昭和40年代に開発して作られた開発面積45ヘクタール、賃貸住宅290戸、分譲住宅2,144戸、その他戸建等54戸の大規模団地です。住人の高齢化率は45%を超えています。空き部屋の増加や、コミュニティの希薄化などさまざまな課題を抱えていました。

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神奈川県住宅供給公社は神奈川大学と2020年に連携協定を締結。竹山団地の公社賃貸住宅へサッカー部の部員が入寮、空き部屋が課題にもなっていた団地の上層階に1部屋2~3人で暮らし、2024年3月現在60名が生活をしています。

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『竹山団地プロジェクト』と名付けられたこの取り組みでは、サッカーだけにとらわれない幅広い視野をもつこと、他者との共同生活を経験しながら自らが地域に飛び込み、人やコトと触れ合い成長していくことを目指しています。
ただ学生同士で暮らすだけではなく、団地住民を巻き込んだ地域の活性化も行っています。

学生をサポートするのは神奈川大学と神奈川県住宅供給公社のほか、NPO法人KUSC、竹山団地連合自治会など。さまざまな団体が連携してプロジェクトを推進しています。

団地内でのイベントに積極的に取り組む学生たち。
毎年2月、団地の連合自治会主催の防災訓練に参加しています。

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この日の訓練では団地での地震や火事など、 有事の際に行動できるように、仮設トイレの設置や消火栓を使っての放水訓練などを住民と協力しながら行いました。

学生が防災訓練に参加する意義を自治会会長に聞いてみました。

「住民が高齢化する中で、若者に対する期待や若者と触れ合うことによって、自分たちも一緒に元気になれるというメリットも感じているので、これからも末永く付き合っていきたいと思っています」

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防災訓練に参加した住民の方にもお話を聞いてみました。
「自分の孫よりも若い子たちですが、そんな彼らが防災訓練に参加してくれるのはいいですね」

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「団地には高齢者が多いので、若い人がいてくれるだけで少しでも活気づくと思います」

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「高齢化社会においては若い人が色々な面で助けてくれるということが、今後のために良い見本になるのではないかと思います」

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毎年、訓練に参加する学生の中には、消防団に入団している学生もいるそうです。

学生も地域の防災訓練に参加することで、地域住民とのコミュニケーションの機会となり、災害時だけでなく日頃からの団地の一員であることを再認識することにつながっています。

防災訓練に参加した学生にお話しを聞いてみました。

「地域の方と関われる機会があるというのは、自分たちにとってもすごく貴重なことだと感じています。普段は交流というものがあまりないので、こういったイベントに参加することで地域に住む方々とのコミュニケーションが取れるので、大事にしていきたいと思います。イベントなどは、大変なことも多いのですが、その中で楽しさを見つけ出して、学生同士で協力し合いながら何かを成し遂げる能力は、とても成長できたところだと思います」

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団地で生活やイベントを通じて住民の方と関わることにより、自身の成長を促していると感じているようですね。

神奈川大学サッカー部の部長に、神奈川大学と公社が連携した経緯をお聞きしました。

「サッカー部に神奈川大学が用意できる寮がなかったのですが、公社から大学連携のお話をいただきました。新入生から4年間かけて入寮させてもらい、教育の一環としてこの寮で集団生活をさせていただいています。地元の方々とも一緒に時間を過ごすことによって、集団生活の中で自分というものを常に意識しながら生活をしていってほしいと思っています。そのためにはこの竹山団地での集団生活が非常に有効的であり、教育的にも効果が高いと信じて、今日に至っています」

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この日、防災訓練が終わった後には、サッカー部による紅白戦が行われ、地域の住民の方たちとの交流が図られ、竹山団地に新たな活気を生み出しました。

神奈川県住宅供給公社と大学が連携して取り組む地域貢献活動について神奈川大学サッカー部の監督にお話をお聞きしました。

「地域の色々なイベントや防災訓練などの活動に参加するなどの地域でのかかわりの中で、一つひとつが生活として成り立っている。そういったことを学生たちが学べているのが非常に大きいです。徐々にですが、自分の役割を年が経つにつれて理解しだしています。自分1人で生きているのではなく、人のために動くことが、結局は自分の成長につながって自分の幸せにつながっていくのではないかと思います。遠回りかもしれませんが、他者や地域のために動くことが、幸せの近道かも、と。そのようなことが活動を通して伝わればいいなと思います」

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サッカー部の部員が団地に入居し、共同生活を送りながら住民とのコミュニケーションを深める取り組みは、学生にどんな影響をもたらしているのでしょうか。

入居している学生に、竹山団地にお住まいの方々とのコミュニケーションについて聞いてみました。

「最初は実家が恋しかったり、地元がいいなと思ったりすることが多かったのですが、今はこの団地に戻ってくるとほっとします。この前も団地の方からイチゴを差し入れてもらったり、よい関わりが多くて、すごくハッピーな気持ちになります」

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「自分たちの活動が浸透して、知っている人も多くなってきて、団地内に神奈川大学サッカー部のファンや自分たちを応援してくれる人が増えたと感じています」

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「自分が住んでいる棟の方から、優しく「おはよう」など色々なコミュニケーションをとっているうちに、楽しく毎日を過ごせるようになりました。周りの人とコミュニケーションをとる機会が増えることは将来にも活かせると思います」

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また、農家の高齢化問題や休耕地問題の課題解決を図るため、神奈川区羽沢地区の休耕地を借り受け、様々な野菜を育てる活動も行っています。

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この日収穫した野菜は、竹山団地内の商店街で行われる『介護予防教室』のランチメニューに使われます。
長らく空いていた団地商店街の一区画を改装したサッカー部の食堂。現在では地域住民の方へ向けて理学療法士の指導のもと、介護予防教室やオリジナルのスパイス料理教室を行うなど、多世代交流や健康づくりの場にも活用されています。

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介護予防教室の参加者にお話しをお聞きしました。

「介護予防教室にはほぼフル参加しています。学生さんたちがすごく親身になってやってくださるので、パワーと元気をいただいています」

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「こういう場があると若い人ともお話でき、近所の方たちともお話ができるのでいいですね。夫婦二人で生活していますが、二人で閉じこもって生活するより良いと思うので、活用しています」

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介護予防教室をサポートしている学生は、

「1日の始まりとして、午前中は高齢者の方々とコミュニケーションがとれて、これから午後は授業ですが、充実した1日を過ごせていると思います。コミュニケーションを取る中で介護の事だったり、サッカー部の話などしていますが、上の年代の方から応援していただくことが少ないので、うれしく思っています」

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「介護予防教室を始めたころは参加者は5人程度だったのですが、地域の口コミだったり友達などを誘ってくれたりしていただいて、今では25人と参加者が増えました。サポートしている身としては、すごくうれしいです。竹山団地に住んでいる小さい子どもから高齢者の方々まで多種多様な人々と関わらせていただいています。これから先、社会にでると色々な人と関わっていく機会があると思いますが、この経験を活かして、たくさんの人と良い関係性を作っていきたいと思っています」

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これまで、高齢者向けのスマホ教室の開催や団地の清掃活動、また高齢者だけではなく、小学生に勉強を教えるなど様々な活動の積み重ねにより、団地住民から着実に存在が認知され、この食堂も団地住民の憩いの場として活気を見せています。

サッカー部員はこのような取り組みを通して地域とつながっていると監督は話します。

「約50年前の団地ということで、高齢化が進み、色々困っていることもあります。そういうところは我々としては、課題として地域活動の担い手がいない中で、その役割を大学生に担ってもらう。我々としては集団生活を行いチーム力を高めて日本一のサッカーチームになりたい。そういう中で公社に住む場所と食べる場所を提供していただいて、お互いの課題と価値を交換して循環を作っていくといったつながりができているのかなと思います」

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公社の水上さんに、今後の神奈川大学の活動への期待を聞いてみました。

「1期生で入居してくれた学生が今4年生(2023年9月現在)で、来年から2巡目に入っていきます。そして、竹山団地で4年間過ごした学生たちが巣立っていく。その先輩たちがどう竹山団地と関わってくれるかというのが非常に興味があるところです。あと、地域としても学生と日々過ごすことに良い意味で慣れてきた部分があるので、団地のいち住民として地域の方々がどう迎え入れて、どのように学生が日常に溶け込んでいくのかというのも非常に楽しみです。どんなことを狙っていくかというよりは、日々学生が日常にいる風景が何を生んでいくのかというのを楽しみに待っていたいと思います」

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地域の役に立ちたいという学生の意欲や地域住民の希望など、それを実現できる場所を提供し、時には大学と地域との調整を行う神奈川県住宅供給公社。様々な取り組みが徐々に浸透し、最近では、地域住人がサッカー部の試合の応援にかけつけるなど、学生が団地の仲間として定着してきています。今後も多様な多世代交流が日常化していくことが期待されます。

<注>本記事は2023年に取材を行ったものです。

 

関連動画

学生の活躍で地域活性「竹山団地で合同防災訓練」(tvk 「NEWS ハーバー」2023年3月10日(金)放送)

神奈川大学サッカー部 団地の高齢住民とのふれあい【News Linkオンライン】 (youtube.com)
https://www.youtube.com/watch?v=azHGqU_q-tA

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関連サイト

大学との連携|神奈川県住宅供給公社 (kanagawa-jk.or.jp)
https://www.kanagawa-jk.or.jp/action/renkei.html

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