Life Field
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地元で存在感を示す、自治会会長として地域をつないだ36年

2021.1.15掲載 千葉 六男(横浜井土ヶ谷共同ビル)

Q1:横浜井土ヶ谷共同ビルを選んだきっかけを教えてください。

昭和46年に新築された「横浜井土ヶ谷共同ビル」(横浜市南区)に入居し48年間住んでいます。川崎市内に勤めていたので公社の「(旧)下平間団地」(川崎市幸区)の近くを通る機会が多く、下平間団地のような低層(2~3階建て中心の団地でした)でゆったりとした住宅で暮らしたいという憧れを抱いていました。住宅不足の時代でことごとく抽選にはずれていましたが、やっと横浜井土ヶ谷共同ビルに当選して入居が決まった時は、落ち着くことができる安堵感と公社物件に住める嬉しさがありました。井土ヶ谷共同ビルは11階建てで、公社物件の高層住宅の先駆けだったのではないでしょうか。どっしりとした構えに、生活の拠点としての安心感がありました。
自治会の創設に携わり、そのまま自治会活動に参加してきましたが49歳で自治会の会長を務めることになりました。任期は1年で、とりあえずその期間だけ担当という持ち回り感覚で務めていました。任期を終え、後任がいないまま2年目、3年目と継続。そのうちに、どうせやるなら長期的な視点で、周辺地域の方と関わりを持てる活動をした方が良いのではと思い始めました。余計なことを考えてしまったという感じです(笑)。一旦腹をくくるとやらなければいけないことが沢山見えてきて、結局36年という長きにわたり会長を務めさせていただきました。

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自治会長はとりあえず、1年と思ってましたがあっという間に36年経ちました。

Q2:自治会会長として力を注いだのはどのような事ですか。

横浜市南区には16の連合町内会があり、ここは井土ヶ谷地区連合町内会に属しています。井土ヶ谷共同ビルは161戸ですが、同じ地区にはURの井土ヶ谷東団地のように800戸を超える大規模団地があります。ここの組織は小さいけど元気があることを示すために、それまで以上に地区連合の行事に積極的に参加するようにしました。
元々その土地に住んでいる方と新しく越して来た人は意識が違うと思われているところもあるので、そうではないことをわかっていただくために地域の一員として一生懸命に活動し交流の機会を増やしました。居住者のみなさんが協力してくださったおかげで、井土ヶ谷共同ビルは「声をかければすぐに動いでくれる」と評価していただき、地域の方々に温かく受け入れてもらえるようになりました。
安全安心対策や福祉活動、地域活性化など様々な活動を行いましたが、力を入れた取組みのひとつとして「ちょこっとボランティア井土ヶ谷」があります。小中高生が中心となり、高齢者の家の草むしりや話し相手など、お手伝いできそうなことを「ちょこっと」する活動です。ポイントは若い世代が福祉活動を経験する機会をつくったことです。その背景には、成人してからも地域との繋がりを絶えないようにしたいという思いがありました。自治会会長の他に、地区連合町内会の会長や南区連合町内会連絡協議会の会長、それと神奈川県公社住宅自治会協議会の会長も務めさせていただきました。地道な活動でしたが、知り合いが沢山でき、愛着を持てる土地で暮らせるのが何より幸せです。

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安心安全対策や地域環境の充実、活性化を周辺地域団体等と協力し合っています。

Q3:井土ヶ谷共同ビルの建替えにどのようなお気持ちがありますか。

平成30年の夏に公社から建替えの話があり、自治会で居住者に対する説明会を何回か開催しました。私もそうですが昔から住んでいる居住者は高齢になっているので、馴染みの部屋にそのまま住んでいたいと思っています。そうした皆さんの気持を考えると建替えに同意するのは正直辛い心境でした...。また建替え期間中はここから離れなければならない寂しさもあります。自分も含めいろいろな思いがある中で、老朽化していることで安全面に不安が出るのは良くないと、建替えに対し居住者の皆さんのご理解いただくことができ会長として、まずはホッとした次第です。
新しい建物には大いに期待しています。地域から隔絶させる雰囲気の住宅にだけはして欲しくないと公社にお伝えしました。この辺りに集会施設が少ないので、行事などで利用できる場所ができるのはありがたいと地域の方も建替えを前向きに捉えてくれています。今は新型コロナウイルス感染症のため集会は控えていますが、収束した後はまた集まる場所が必要になると思います。人間のつながりはやはり大切で、新しい建物が皆さんのつながる場になれば良いと思います。建替えに伴い自治会活動は戻り入居者に対する情報伝達と状況確認が主業務となりますが、地区連合の顧問というかたちで地域の活動を続ける予定です。新しい建物が出来たら、次を担う若い方への引き継ぎをしていきたいですね。

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昭和46年に建設されたこの建物では高層住宅の先駆けだったと思います。

Q4:創立70周年を迎えた神奈川県住宅供給公社にメッセージをお願いします。

私が15歳の時に設立したことになるのですごい歴史です。居住者が要望を出しても、公社として簡単に進まない問題があることを自治会の活動を通じて理解しました。お互い意見を出し合いながら譲るところは譲るという話し合いの中で、良い方向に進んできたのではないでしょうか。公社は居住者と協力して暮らしやすい環境を作りたいと思っているので、私たちの話に耳を傾けてくれます。自治協の活動において、全国公社住宅自治会協議会(全国自治協)で全国の公社の活動について話をする機会がありますが、神奈川公社は自治会とタッグを組んだ「見守り活動」を展開するなど他の都道府県公社より先んじた施策を実施していると思います。公社物件にお世話になることができて良かったと思っています。実は、ここに住み始めた頃、家を建てるための土地を購入しました。しかし知り合いが増え、当地の住み良い環境に染まってしまい離れることが出来ませんでした。ここに縁があるのです。新しい建物の完成も楽しみですし、引き続き公社と共に歩んでいきたいと思っています。

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長年住んだので建替えはさみしい気持ちもありますが、楽しみでもあります。

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