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団地のお湯事情~キッチン~

2023.06.15

 台所に設置するガス小型給湯器が登場したのは1930年頃ですが、1950年頃になり急速に普及が進んだようです。

 当初公社の団地の小型湯沸かし器は入居者自身で設置する方式でしたが、1966年に竣工した相武台団地(分譲住宅)で初めて小型湯沸かし器が標準装備とされました。以降、分譲住宅においては台所への給湯機能は標準装備となりましたが、賃貸住宅では1980年代以降の新築住宅を待つことになります。それ以前の賃貸住宅ではその後も入居者自身が設置する方式が長らく続き、すべての賃貸住宅で公社が設置するようになったのは2004年です。

相武台団地_50年史P125.PNG「公社住宅の軌跡 - 神奈川県住宅供給公社50年史 -」より 相武台団地(相模原市南区: 1966年~竣工)

 長らく浴室は風呂釜、台所は小型給湯器と別の熱源を使って給湯していましたが、1980年代以降は屋外設置のRF型給湯器や壁貫通型のホールインワン型給湯器の普及により、1台の給湯器からから浴室・洗面台・台所への3箇所に給湯する3点給湯がスタンダードになりました。
 また、お湯と水が1つの蛇口から出る混合栓が登場し、平成に入るとシングルレバー方式が主流となります。
 最近では省エネ化の方向に開発が進んでいます。

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2ハンドル型混合水栓:リモコンで温度調整ができるようになり、壁貫通型(ホールインワン)給湯器の採用により、室内での燃焼がなくなり、一酸化炭素中毒のリスクがなくなりました。横浜若葉台(横浜市旭区・1981年竣工)
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現在の公社の賃貸:シングルレバーとなり、水量・お湯と水の割合が一つのレバーでコントロール可能に。お湯の温度もリモコンで60℃までの間で設定可能。60℃は熱すぎると思うかもしれませんが、手元のレバーで水と混ぜることができるため、好みの温度で使うことが可能です。フロール元住吉(川崎市中原区・2019年竣工)
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小型湯沸かし器は入居者が設置し、退去時に撤去していました。栗田谷団地(横浜市神奈川区・1954年竣工)
2023.6.15現在、フロール横浜三ツ沢として建替工事中。2023年9月中旬入居申込受付開始予定[11月中旬入居予定]

現在の公社の賃貸住宅は古い団地でも、小型湯沸かし器や換気扇は標準装備となっています。中にはリフォーム時にキッチン、洗面台、浴室への3点給湯にした物件もあります。

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二宮団地(中郡二宮町・1966年竣工)に設置された小型給湯器
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汐見台団地(横浜市磯子区・1963年竣工)のリフォームでは3点給湯にしてリモコンで操作可能な住戸も

●関連サイト
・みんなで暮らしをつくる「二宮団地」
https://www.kousha-chintai.com/danchi-intro/other/K119642000.php

・人と地域をつなぐ賃貸住宅「フロール元住吉」
https://www.kousha-chintai.com/danchi-intro/kawasaki/K120191000.php

・団地が一つの街に「横浜若葉台」
https://www.kousha-chintai.com/danchi-intro/yokohama/K119801000.php

・大規模開発団地「汐見台」
https://www.kousha-chintai.com/danchi-intro/yokohama/K119611000.php