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住まいとくらし~キッチンの歴史~

2023.05.18

 キッチンの歴史

戦前の台所は土間で竈(かまど)に薪(まき)をくべて火をおこすスタイルが主流でした。都市部からガスが普及していくと、調理台・流し・ガスコンロが並んだキッチンのスタイルが確立しました。
1950年に設立した神奈川県住宅公社の賃貸住宅で最初に竣工した「大和町住宅」の間取りは6畳と4畳半の和室2間にキッチンとトイレが付いた2K。当時の建設省が公営住宅のために設定したプランで、L字型のキッチンでした。

1952年には公社独自プラン「K52-R7」を設定、間取りは2Kから2DKとなりました。台所で調理、和室(茶の間)で食事というちゃぶ台方式からダイニングキッチンでテーブルと椅子で食事をする方式に変えたのです。ダイニングキッチンは洋式の生活に憧れた社会にマッチします。このプランは賃貸住宅や社宅で供給され、その後10年ほど公社の主力プランであり続けました。

1955年に日本住宅公団(現UR都市機構)が設立されると公団住宅でステンレス流し台が導入され、こちらも急速に普及していきました。 それまでの流しの素材は「じんとぎ」と呼ばれた研ぎ出し人造石が主流でしたが現代まで、ステンレス製の流し台は主役であり続けています。また、この時期から電気冷蔵庫や電気炊飯器などの家電も急速に普及していきます。その後も電子レンジや食器洗浄機、また自動調理鍋や電子制御式のガスコンロによる自動調理など、キッチンと調理器具の進化はとどまるところがありません。

1980年代後半になると対面型・アイランド型など、様々な配置のキッチンが導入されていきます。調理中も会話を楽しんだり、子どもの様子を見たりと、家族のつながりを大事にするというニーズに応えたものです。現代の公社の賃貸でも多様なキッチンの配置パターンが採用されています。

①5年史 神奈川県住宅公社5年のあゆみ_ページ_25_画像_0001.jpg
「神奈川県住宅公社5年のあゆみ」より

15年史42リビングキッチン2.jpg
「楽しい暮らしを造る 神奈川県住宅公社創立15周年記念」より

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「神奈川県住宅公社10年の歩み」より

10年史39リビングキッチン2.jpg
「神奈川県住宅公社10年の歩み」より

公社の賃貸のキッチン

長い間、公社賃貸住宅のキッチンにはガスコンロ、換気扇、給湯器は設置されていませんでした。
抽選で運よく当選し、入居が決まったら自分でこれらの設備を購入したり、設置工事を手配したりして、入居していました。
現在の公社の賃貸は換気扇と小型湯沸器が標準装備となっています。
また、物件やタイプによりますが、コンロ内臓のシステムキッチンや、神奈川県内産の杉製のキッチンなど、多彩なキッチンが導入されています。

図7.pngのサムネイル画像
昭和28年竣工当初の人砥(じんとぎ)流しの台所(戸手団地・川崎市幸区)

図8.jpg
現在の団地は換気扇と小型湯沸器が標準装備(二宮団地・中郡二宮町)

図9.jpg
1つ1つ手作りの県内産杉製キッチン(二宮団地・中郡二宮町)

図10.jpg
システムキッチン(フロール川崎戸手・川崎市幸区)

●関連サイト
・みんなで暮らしをつくる「二宮団地」
https://www.kousha-chintai.com/danchi-intro/other/7010.php

・様々な世帯が暮らすコミュニティマンション「フロール川崎戸手」
https://www.kousha-chintai.com/danchi-intro/kawasaki/2090.php