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住まいとくらし~間取りとくらし②~

2023.04.17

リビングと子ども部屋の普及

 賃貸住宅の間取りは戦後長らく2DKというのが定番でした。それが1980年代に入ると変化を迎えます。
 居間(リビング)という概念が一般的になったことや、住宅不足が解消し、画一的な住宅を大量供給する必要がなくなり、世帯構成の変化や多様化する暮らし方に対応し、住宅プランにバリエーションが出てきました。また受験戦争のヒートアップなどに伴う子ども部屋のニーズも広がり、賃貸住宅においても3DK、3LDKという部屋数が多い賃貸住宅が出てきます。
 さらに平成に入ると4DK、4LDKといった分譲住宅以上の面積・間取りを持った賃貸住宅も出てきます。

間取りの多様化と設備仕様の向上

 かつて賃貸住宅は庭付き一戸建てという終の棲家にたどり着くまでの仮住まいという位置づけが強いものでした。
 しかし、多様な生活に対応し、さまざまなバリエーションが生まれたことや設備仕様が分譲住宅並みに向上したこと、またバブル崩壊、大規模な震災を経験などにより、持ち家のリスクが顕在化したこともあり、生涯賃貸住宅を選択する方も増えました。
 最新の公社の新築賃貸住宅では引き戸を間仕切り代わりにした可変間取りやテレワークに対応しやすいスペースの導入など、進化を続けています。

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フロール梶が谷(川崎市高津区・ 2021年竣工)には2004年以来17年ぶりに復活した畳のある間取りを採用。増加する在宅勤務のニーズに対応し、リビングの脇に約2.2畳の小あがりスペースを導入したもの。

1980年竣工 3LDK(64.86㎡)

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綾瀬寺尾本町団地(綾瀬市・1980年竣工)では64.86㎡の3LDKが登場。公社の賃貸では初めて間取りに「L」の字が入った。これ以降、1980年代に入ると、賃貸住宅の大型化と多様化が一気に進むことになる。
また、この物件は和室が2部屋ある最後の間取りとなり、以降、和室は1部屋あるか、全室が洋室となっていく。

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綾瀬寺尾本町

2004年竣工 3LDK(73.76㎡)

ルリエ新川崎(川崎市幸区・2004年竣工)の最多プランは3LDK。
共用部としてはオートロックや宅配ボックス、全戸トランクルーム付き。専有部ではカウンターキッチンの採用や1418サイズの浴室、リビング・ダイニングへのガス温水式床暖房の採用など、分譲住宅並みの設備が導入された。

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ルリエ新川崎

2021年竣工 1LDK+DEN(46.96㎡)

2015年以降に竣工した公社の賃貸住宅はすべての居室が洋室になり、和室の設定はない。
そんな中、2021年に竣工したフロール梶が谷(川崎市高津区)にはカウンターデスクが設置された畳2枚分の小あがりがあるプランが登場。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、在宅勤務のニーズが増加したことにより、テレワーク可能な狭小スペースのニーズに対応したものである。

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フロール梶が谷