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公社の健康寿命延伸の取り組み:ヴィンテージ・ヴィラ横須賀の入居者と神奈川県立保健福祉大学の学生が一緒に考えた健康メニューが完成!

2023.12.21

 神奈川県住宅供給公社では、公社の介護付有料老人ホーム(入居時自立)「ヴィンテージ・ヴィラ」にて、人生100歳時代における健康寿命延伸に向けて、「バランスのとれた食事」「適度な運動」「生きがい」の3つの取り組みを行っています。

 この取り組みの一つ「食事」については、「食事・栄養・体力づくり」の分野を中心に健康寿命の延伸に取り組むため、2016年に神奈川県立保健福祉大学(以下、県立保健福祉大学)と連携協定を締結しました。2017年からは介護状態になりにくい独自の「健康メニュー」の開発に取り組んでいます。

 今回は、10月23日(月)にヴィンテージ・ヴィラ横須賀(以下、VV横須賀)と県立保健福祉大学の共同企画により、県立保健福祉大学の栄養学科の学生とVV横須賀のご入居者14名と一緒に、VV横須賀ダイニングにて「食」や「健康メニュー」について座談会を行いました。

 第1部では、県立保健福祉大学の倉貫教授による「世界に認められた"和食"」~ユネスコ世界無形遺産登録(平成26年)~の講演会が行われました。

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 現在、世界でも注目され、ユネスコ世界無形遺産登録にも登録された「和食」。その理由は「多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重」「健康的な食生活を支える栄養バランス」「自然の美しさや季節の移ろいの表現」「正月などの行事との密接な関わり」が和食文化の特徴とのこと。その、和食文化も年代によって変化してきました。昭和40年~50年前後は、お米中心の食事でお米とみそ汁、漬物という組み合わせが特徴でしたが徐々に食の多様化が始まり、洋食も食卓に一緒に並ぶようになりました。その後、平成に入ると、ラーメンや牛丼など単品料理が増え始めました。また、朝ごはんにはパンという割合も多くなってきました。令和に入るとお米の摂取量が減ってきたのが特徴です。そこで、昭和50年頃の日本食を振り返ってみると、今と比べて、果実類や海藻類、魚介類が豊富であることが特徴で、これはエネルギー燃焼効率アップで肥満を抑制する効果があり、長寿や健康維持と学習機能維持にも有効であると報告されているとのこと。

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 この倉貫教授の講演会の内容を踏まえて、昭和50年頃の献立を思い出しながら、皆さんで健康寿命献立を考えてみましょう!と第2部へ。


 第2部は座談会。
参加者に学生とヴィンテージ・ヴィラ職員、公社職員も加わり、グループに分かれての座談会を行いました。
お題は最も健康的と言われる1970年代(昭和45年~54年)の食卓風景・当時の料理を思い出しながらイメージし、雑談を交え楽しみながら健康長寿の献立を考えること。

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「秋だと栗ご飯とかかしら?混ぜご飯はよく作ったわ」

「煮物はよく食べたわね」

「胡麻和えとかは?」

「イワシとか鮭とかさんまとか焼き魚が多かった気がします」

「カレーもよく作ったわ」

「肉じゃがも!」

などなど、入居者は1970年代の食事を思い出しながら、盛り上がります。横で話を聞く学生にとっては産まれる数十年前の話。当時のことはわからないながら食の話に世代は関係ないようで、聞き役に徹したり、質問したりと話に花が咲きました。


 そして、各グループから献立案が発表されました。

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 VV横須賀のフードマネージャーより、

「今までごはんは白いご飯が好まれていのだと思っていましたが、本日、お話をしてみて、混ぜご飯や炊き込みご飯など具材が入ったご飯も好まれると知って印象深かったです。今後の参考にさせてもらいます。」

と感想を述べました。

 倉貫教授からもコメントがありました。

「ヴィンテージ・ヴィラの方は本当にお元気です。もっと元気でいていただくために、栄養バランスを考えた食事を考えたいと思います。健康メニューという題材での会でしたが、1970年代という時代は入居者さんたちが現役でバリバリ活躍されていた年代かと思います。その頃を思い出し、食についても興味を持っていただければと思います。普段、学生たちは高齢者の方となかなか触れ合うことがないので、実際に触れ合い、昔の話を聞いたことは勉強になったと思います。食というテーマであれば年齢が離れていても楽しく話ができる。入居者も学生も楽しくお話ししていたようなので、良かったです。」

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 そして、献立案は11月24日(金)にVV横須賀にてご提供されました。

主食:栗ご飯、主菜:さんまの塩焼き、副菜1:筑前煮、副菜2:きゅうりとわかめのぬた、汁物:神奈川県産小松菜のすまし汁、デザート:柿(エネルギー:698kcal、たんぱく:27.2g、脂質:25.0g、塩分:4.0g)

 11月24日は「和食の日」。2013年にユネスコ無形文化遺産として登録された「和食・日本人の伝統的な食文化」を、次世代へと保護・継承をしていくことの大切さを考える日として、和食文化国民会議にて制定されました。今日の献立にピッタリの献立です。

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 VV横須賀のフードマネージャーと県立保健福祉大の倉貫教授、学生さんたちが先日の座談会で出た献立案を参考に栄養のバランスを考えた献立を考えてくれました。秋の味覚の満載です。
 通常、VV横須賀の夕食日替わり喫食数は平均約63食。この日は85食と大盛況!皆さん、楽しみにしていたようです。

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 そして、座談会に参加していただいた入居者3名と学生4名と倉貫教授とで、今回の夕食をファミリーダイニングにていただきました。

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 自分たちが考えた献立を味わいながら、話も弾みます。
「さんまは私たちのグループで提案しました!」「栗ご飯は私たちのグループが提案しました!」と自分たちの提案した献立が目の前に提供され嬉しそうでした。

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 さんまの塩焼きは、丸ごと一匹!身も分厚く豪華です。さんまは骨も多いので皆さんもくもくと食べていました。「骨がある魚は食べるのに手間がかかりますが、自然とゆっくり食べることになり、そして、よく噛んで食べてますよね。栄養の面だけではなく、こういったことも魚を食べると良いと言われている一つですね。」と倉貫教授。

 栗ご飯も栗がゴロっと入っていて贅沢な1品。筑前煮やきゅうりとわかめのぬたを味わいながら「懐かしい味がしますね」と入居者は昔を懐かしんでいるようでした。
皆さん、座談会の思い出話や昔話などに花が咲き、楽しい食事会となりました。

 学生たちが「自分たちが思ってた以上に立派なさんまが出てきてビックリしました。副菜も充実していて驚きました!」「入居者の皆さんも完食ですね。お元気ですね!」と学生たちと同じ量を食べる入居者の食欲にビックリしているようでした。入居者も「みなさんとワイワイお話しながら食べると楽しいですね。食欲も進みます」と皆さん大満足で夕食は終わりました。

 昭和50年頃の日本食は、長寿や健康維持などにも有効であるということで始まったこの取り組みですが、楽しく食事をすることは、栄養だけでは測れない大切なこと。そして、「食」は世代を超えて楽しめるものだということも改めて感じました。
 公社では、今後も「食」について、県立保健福祉大とタッグを組み、入居者の健康寿命延伸に向けて、取り組んでいきたいと思います。



関連サイト

ヴィンテージ・ヴィラWEBサイト 
https://vintage-villa.net/

公社の健康寿命延伸の取り組み 
https://www.kanagawa-jk.or.jp/action/independence.html