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安心・安全な生活を!「ヴィンテージ・ヴィラ横浜」で初の防災士による居室内防災点検を実施。

2023.07.27

 6月24日(土)・25日(日)・7月8日(土)・9日(日)にかけ、公社の護付有料老人ホーム「ヴィンテージ・ヴィラ横浜」(横浜市旭区)にて、居室内防災点検を行いました。公社では防災に関する様々な取り組みを行っていますが、実際に居室にお伺いしての点検は初めての取り組みです。
 今年は、1923年(大正12年)に発生した関東大震災から、100年の節目に当たります。この機会に、防災についての意識を高め、注目される「在宅避難」についても考えていいただきたいと思い開催しました。
 この取り組みは、防災士が居住者の方々が実際に暮らしている居室を訪問し、危険な場所がないか、備蓄はできているかなどの防災診断を実施し、家具転倒防止器具などの防災グッズや備蓄品の種類や量について助言するもので、今回、福祉防災研究会、元横浜市消防局職員有志、日本体育大学救急医療学科防災士社会貢献チームの協力により点検が行われました。
 300世帯以上が暮らす「ヴィンテージ・ヴィラ横浜」で点検希望があったのは120戸。4日間をかけて順次点検に回りました。
7月8日(土)、11年前から入居されている岸野ご夫妻にご了解をいただき、居室の防災点検に同行させていただきました。点検いただく防災士は元横浜市消防局消防監、福祉防災研究会共同代表の秦好子さん。
 秦さんは横浜市女性消防吏員第1期生として入庁。指導課長、消防訓練センター次長等を歴任し、阪神淡路大震災時のボランティア活動を教訓とした災害ボランティア活動に取組み、現在は、災害時の高齢者等要配慮者被害が顕著なことから、防災士養成に関わる有識者や建築士等専門職で福祉防災研究会を立上げて、平時からの暮らしの安全対策の啓発に取り組んでいます。

以下の3カ所を重視して、確認・助言を行いながら各部屋の点検を行っていきます。



避難動線上に障害物が飛散しないように、家具の配置や転倒防止及び開き戸のストッパー措置ができているか

ベッド上の安全が確保できるように、落下物や家具の転倒防止措置ができているか

窓ガラスの飛散防止対策と底の厚い靴や防災スリッパの用意など、防災グッズや非常用物品(ヘルメット、防災靴、簡易トイレ、非常食や飲料水など)は備蓄できているか。


 「ヴィンテージ・ヴィラ横浜」でも十分な備蓄は常備していますが、自分たちの嗜好にあった食べるものや排せつに関しては個人で確保することが大切とのこと。

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家具転倒防止器具など対応ができているか確認していきます
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絵画など上は固定されていますが、下も固定されたほうが安全ですね。
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開き戸にはストッパーがあると安心ですね。
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部屋ごとに細かく確認・点検し、助言を行います。

 「窓の近くに物は置かないほうがいいですね。そのためにも片付けリストなどを作成するといいですよ」「お薬も数日分、多めにもらえるのであればもらったほうがいいですね。そのためには、通常の飲料水も必要ですが、お薬に必要な水も必要ですね。」などアドバイス。
 最後に秦さんは「食料の備蓄も大切ですが、災害時は救急車や病院の対応が難しくなるので、ケガや病気にならないよう健康の備蓄もお願いしますね。」と約20分の点検が終了。

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ガラスにモノが当たって割れる可能性や、避難経路を確保するためにも窓の近くには物を置かないほうがいいですね。

 今回の防災点検でご夫妻は「何を準備しなければいけないのか、この部屋に何が必要なのか、わからないことが多いので助かりました。実際、収納の扉を閉めて固定するストッパー器具などがあるとは知りませんでした。また、その場で助言を聞くだけでなく、報告書が後でいただけるのはとてもありがたいです。」

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回の点検に基づき、転倒防止や落下防止対策に必要な防災グッズなどについて説明があります。

 ヴィンテージ・ヴィラでは入居時に「防災ガイドブック」をお渡ししています。また、年に2回、春と秋に防災訓練を行っています。24時間のセキュリティサービスで防犯・防災にも対応していますが、ただ、それだけでは十分とはいえないと「ヴィンテージ・ヴィラ横浜」の運営を行うシニアライフ振興財団の増田マネジャーは話します。「日勤は十分にスタッフがいる状態ですが、夜勤となると事務所に2名、ケアセンターに4人という体制。ここには居室が326戸あり、夜間何かあった場合には、この人数でカバーしなくてはいけません。施設の防災対策や備蓄も十分にありますが、いざとなった時に、入居者全員をケアするのは困難が予想されます。もちろん、働いているスタッフもそういう事態を想定していなければいけませんが、今回の防災点検を通して、防災に対しての意識をご入居者とスタッフもともに高くできるとよいですね」と今回の防災点検を振り返りました。

 平時から、各自・各家庭で食料・飲料水等の備蓄、家具の固定等を進め、近隣に住む方々などと協力できる関係を築いておくことも必要だと感じました。日頃から、防災について考え、そして、自分の身は自分で助ける「自助」や、近隣の人等と助け合う「共助」による取り組みを進めることも大切だと強く感じました。
 今後は、全点検終了後、個別に点検結果票に基づいた対策提案をいただく予定です。
 こちらの点検結果や対策提案についても、今後、ご紹介していく予定です。

●ヴィンテージ・ヴィラWEBサイト
https://vintage-villa.net/

●参考動画
ヴィンテージ・ヴィラの防災対策