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歴史を感じる日本大通り!魅力と歴史的建造物をご紹介
2018.06.12
横浜スタジアムのある横浜公園から横浜港に向かって真っすぐと延びる並木道。
この通りは「日本大通り」と呼ばれ、通り沿いには季節ごとに色を変える美しいイチョウの木と数多くの歴史的建造物が立ち並んでいます。
今回は横浜市民に愛される日本大通りについてのお話。
近代日本と横浜の歴史が凝縮された日本大通りの魅力についてご紹介します!

日本初の西洋式街路「日本大通り」の歴史
日本大通りは、慶応2年(1866年)に発生した大火事をきっかけに日本人町と外国人居住地を隔てる防火通路として作られました。
道路幅12m、その両脇に3mの歩道と9mの植樹帯を作り、当時の日本としてはかなり広い全幅36mもの道路です。
砕石塗装と陶管の下水道も備えた日本初の近代的な西洋式街路となります。
当時の横浜港波止場から横浜公園へと延びるその並木道は、外国からの来訪者を日本へ迎える象徴でもありました。
「日本大通り」という名称は明治8年(1875年)に命名され、明治12年(1879年)には通りの名をとって町名にも「日本大通」と名付けられるほど市民に親しまれる名称に。
通り沿いには美しいイチョウ並木や、大正から昭和初期にかけて建築された異国情緒あふれる歴史的建造物が立ち並ぶ様子は見ものです。
横浜港の開港以降、西洋文化がいち早く上陸してきた横浜の発展の歴史を垣間見ることができます。
関東大震災の復興事業の際に一度道幅が削られましたが、平成14年(2002年)の再整備で完成当時に近い形に復元され、平成19年(2007年)には名勝地として国の登録記念物に登録されています。
「横浜のまちづくりの父」R.Hブラントン
日本の急速な近代化を進める幕府が、新技術導入のために外国から招いた技師の第一号がイギリス人土木技師であったR.Hブラントン。
ブラントンの名は日本ではあまり知られていませんが、実は日本大通りの設計はこのブラントによるものなのです。
ブラントンは灯台のスペシャリストとしてイギリスから来日しました。
横浜をはじめ、北海道や三重県、鹿児島県など日本各地の港で灯台を設計したり、「修技校」を作って灯台技術者の育成にも力を入れていました。
日本大通りの設計以外にも横浜公園の設計や日本初のトラス構造の鉄橋である吉田橋の架設などに携わり、日本地へ近代土木技術を伝え横浜の近代的な街づくりに大きく貢献した技師です。
日本大通りには歴史的建造物がいっぱい!

日本大通りの道沿いや周辺には、異国情緒あふれる西洋建築物が並びます。
近代日本と横浜の歴史を色濃く残す歴史的建造物は必見です。
横浜情報文化センター(旧横浜商工奨励館)
日本大通りのイチョウ並木のなか、ひときわ存在感を放つ大きな建物が「横浜情報文化センター。
日本大通り駅の真上にある、横浜市認定の歴史的建造物です。
関東大震災後の横浜商工業界の復興を図る目的で、横浜市によって建設。
「旧横浜商工奨励館」が12階建ての新館と一体となって生まれ変わりました。
建物1階にはカフェやレストラン、2階には日本のメディアの歴史を伝える日本新聞博物館や放送ライブラリーがあり、いくつかの施設が入居している複合ビルです。
クラシックなスタイルにアールデコの影響も見られる建築は必見!
正面玄関、中央階段、3階貴賓室にかけて東洋風なデザインを施しています。
横浜公園が近く、海を眺められるロケーションも魅力です。
日本大通りを代表する景観として親しまれています。
横浜情報文化センター(旧横浜商工奨励館)
神奈川県横浜市中区日本大通11
www.city.yokohama.lg.jp/toshi/design/m09/building/n36.html
神奈川県庁本庁舎
関東大震災で焼失してしまった旧県庁舎が昭和3年(1927年)に再建され、現在の神奈川県庁本庁舎になりました。
外壁はレンガ積みからスクラッチタイル貼りに変わり、日本の城にある天守閣のような高塔を持つ「帝冠様式」を取り入れているのが特徴です。
帝冠様式は昭和初期に流行した建築様式で、横浜という土地柄から外国人を意識し日本的な趣向が盛り込まれた建築様式と言われています。
この高塔から「キングの塔」という愛称でも親しまれており、同じ日本大通りエリアには「クイーンの塔」と呼ばれる「横浜税関本関庁舎」、「ジャックの塔」と呼ばれる「横浜開港記念館」とあわせて「横浜三塔」とも呼ばれています。
平成8年(1996年)には歴史的建造物として登録有形文化財にも登録されました。
神奈川県庁本庁舎
神奈川県横浜市中区日本大通1
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f380088/
横浜開港記念資料館旧館
元は英国領事館として使われていた建物で、18世紀のイギリス、ジョージアンスタイルを取り入れて建てられた邸宅風の建築物です。
ペリーの来航時には、中庭にある玉楠の下で日米和親条約が結ばれたとも言われています。
玄関のコリント式円柱や弓型の飾り、丸天井、大きな要石など当時のイギリスの建築様式がぎゅっと詰まったレトロモダンなスタイルの建物です。
横浜市の指定文化財にも指定されています。
横浜開港記念資料館旧館
神奈川県横浜市中区日本大通3
http://www.kaikou.city.yokohama.jp/
横浜の歴史を感じる日本大通りにぜひ遊びに来てみて!
イギリス人技師H.Rブラントンが手掛けた日本で初めての西洋式街路「日本大通り」。
立ち並ぶ歴史的建造物には横浜の歴史がぎゅっと凝縮されています。
日本大通りを歩きその歴史的建造物を眺めていると、西洋文化の流入口であった横浜港の発展とそれに伴う横浜の発展の歴史を感じることができます。
今見ても美しいレトロモダンな西洋建築物は、歴史にあまり詳しくない方でもワクワクすること間違いなしです!
「人・まち・住まい」をつなぐ神奈川県の多目的スペース「kosha33」も日本大通りの一角にあります。
ぜひ「kosha33」にも遊びに来てくださいね!